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下水道技術検定 第3種の計算問題の解き方|頻出パターンを攻略

最終更新:2026-06-216つの見出しで解説

下水道技術検定3種の計算問題は、公式を丸暗記しても数値の入れ替えや単位の違いで手が止まりがちです。しかし出題されるパターンは限られており、「その式が何を求めているのか」を理解すれば、見慣れない数字でも落ち着いて解けます。本記事では水質指標、プロセス管理指標、ポンプの基礎という頻出3分野について、考え方の筋道と解き方の手順を整理します。なお最新の出題範囲や形式は、必ず実施機関の公式情報でご確認ください。

計算問題は「定義」から考えると暗記がいらない

計算問題が苦手な人の多くは、公式そのものを記号として覚えようとして混乱します。たとえば除去率の式を丸暗記すると、分母が流入か流出かで迷います。そこで発想を変え、「除去率とは、入ってきた汚れのうち何割を取り除けたかの割合」という言葉の定義に立ち返ります。割合は『取り除いた量 ÷ もとの量』ですから、(流入濃度−流出濃度)÷流入濃度、という式が自然に組み立てられます。

計算の前にやるべきことは3つです。第一に「何を問われているか(単位は何か)」を確認する、第二に「与えられた数値の単位をそろえる」、第三に「定義どおりに式を立てる」。この順番を守るだけで、公式を思い出せなくても大半の問題は解けます。単位を意識する習慣は、選択肢から明らかに桁が違う誤答を除外するのにも役立ちます。

水質指標(BOD・COD・SS・MLSS)の意味と濃度計算

まず各指標が何を表すかを押さえます。BOD(生物化学的酸素要求量)は微生物が有機物を分解する際に消費する酸素量で、有機汚濁の代表指標です。COD(化学的酸素要求量)は酸化剤で有機物等を酸化するのに要する酸素量、SS(浮遊物質)は水中に浮遊する固形物の量、MLSS(活性汚泥浮遊物質)は反応タンク内の混合液に含まれる活性汚泥の濃度を表します。いずれも基本単位はmg/L(1L中の質量mg)で、この「濃度=質量÷体積」という関係が計算の土台です。

濃度計算は単位換算が鍵です。たとえば1日あたりの流入水量が10,000m³、BOD濃度が200mg/Lのとき、1日に流入するBODの量(負荷量)を求めます。mg/Lはg/m³と等しい(1mg/L=1g/m³)ので、200mg/L=200g/m³。これに水量を掛けて200g/m³×10,000m³=2,000,000g=2,000kg/日となります。単位を「g/m³」に置き換えて体積を掛ける、と手順化しておくと迷いません。

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BOD除去率と負荷の考え方

BOD除去率は、処理によって有機汚濁をどれだけ減らせたかを示す割合です。定義は『除去されたBOD ÷ 流入BOD』。流入BOD濃度が200mg/L、処理水(流出)のBOD濃度が20mg/Lなら、除去された分は200−20=180mg/L。除去率は180÷200=0.9、すなわち90%です。濃度の比で計算でき、水量が同じであれば量で計算しても同じ割合になります。

負荷に関する指標も頻出です。BOD容積負荷は『1日の流入BOD量 ÷ 反応タンク容積』で、タンク単位体積あたり1日に処理する有機物量(kg-BOD/(m³・日)など)を表します。前項の2,000kg/日を容積1,000m³のタンクで受けるなら、2,000÷1,000=2.0kg-BOD/(m³・日)。式の意味は「分母が処理する側の規模、分子が処理される側の量」と捉えると、容積負荷も後述のF/M比も同じ構造で理解できます。

プロセス管理指標(F/M比・汚泥日齢)

F/M比(汚泥負荷)は『流入BOD量 ÷ 反応タンク内の活性汚泥量(MLSS量)』で、微生物(M)1単位が1日に受け持つ餌=有機物(F)の量を表します。分子は1日の流入BOD量(kg/日)、分母はMLSS濃度×タンク容積で求めるMLSS量(kg)です。たとえば流入BOD 2,000kg/日、MLSS 2,000mg/L、タンク容積1,000m³なら、MLSS量=2,000g/m³×1,000m³=2,000,000g=2,000kg。F/M比=2,000÷2,000=1.0kg-BOD/(kg-MLSS・日)。値が高いほど微生物に対し餌が多い状態を意味します。

汚泥日齢(SRT、固形物滞留時間)は、活性汚泥がシステム内に平均どれくらい留まるかを示す日数です。基本の考え方は『系内に存在する汚泥量 ÷ 1日に系外へ出ていく汚泥量』。系内の汚泥量はMLSS量、引き抜きや流出で1日に出る汚泥量が分母です。数値は問題条件で与えられるので、ここでも「ある量が、1日あたりの出ていく量に対して何日分か」という割り算の意味を押さえれば立式できます。指標名は違っても、量と1日あたりの量の比という構造は共通です。

ポンプの揚程・流量の基礎

ポンプ計算では用語の整理が最優先です。揚程はポンプが水を押し上げる高さ(圧力)をmで表し、実揚程(吸込みと吐出しの実際の高低差)に管内摩擦などの損失水頭を加えたものが全揚程です。流量は単位時間あたりに送る水量で、m³/分やm³/秒、L/秒などで表されます。問題では単位がそろっていないことが多いので、まず秒・分・時間のどれに統一するかを決めます。

代表的な計算がポンプ動力です。水を持ち上げるのに必要な理論上の水動力P(kW)は、おおむね P=(ρ・g・Q・H)/1000 の形で、水量Q(m³/s)、全揚程H(m)、水の密度ρ(約1000kg/m³)、重力加速度g(約9.8m/s²)で表されます。実際の軸動力はこれを効率で割って求めます。式を丸暗記するより、「動力=持ち上げる水の重さ(ρ・g・Q)×高さH」というエネルギーの考え方で捉えると、単位の確認と桁の見積もりがしやすくなります。

本番で計算ミスを減らす手順

時間配分と見直しが得点を左右します。計算問題は、まず問われている量と単位を書き出し、与条件の単位をそろえてから立式する、という固定手順を本番でも崩さないことが大切です。途中式と単位を必ず書き残しておくと、選択肢と桁が合わないときに、どこで換算を間違えたかをすぐ確認できます。

仕上げは過去問演習です。同じ指標でも数値や単位を変えて繰り返し問われるため、解いた問題は「この式は何を求める式か」を一言で説明できるところまで理解を深めます。説明できれば、初見の数値でも応用が利きます。範囲や出題形式は改定されることがあるので、学習計画を立てる際は実施機関が公表する最新の試験案内を確認してください。

受験者によくある声

💬

計算問題が苦手で、公式を丸暗記しても本番で使い方が分からなくなってました。過去問で『どの場面でどの式を使うか』をパターンで覚えてから、手が止まらなくなった気がします。

20代・自治体下水道課

💬

文系出身で数式アレルギーがあって、最初は計算問題を捨てようかと思ってました。でも頻出のパターンは限られてると気づいて、そこだけ繰り返したら得点源に変わってきました。

30代・設備系

💬

解説を読んでも途中式が飛んでて理解できず詰まってたんですが、一問を自分の手で最後まで書き切る練習に変えたら、似た問題が出ても落ち着いて解けるようになりました。

独学・働きながら受験

※実際の受験者によくある悩み・気づきをもとに編集部が再構成した代表的な例です。特定の個人の体験談ではありません。

よくある質問

計算問題は公式を全部暗記しないと解けませんか。

丸暗記は必須ではありません。各指標が「何を表す量か」という定義と単位を理解していれば、除去率や負荷の式はその場で組み立てられます。暗記に頼るより、定義から立式する練習のほうが応用が利きます。

単位換算でいつも間違えます。コツはありますか。

計算前に、答えの単位を先に決めて与条件の単位をそろえるのが基本です。特にmg/L=g/m³の関係と、秒・分・時間の統一を意識すると多くのミスを防げます。途中式に単位も一緒に書く習慣が有効です。

BOD・COD・SS・MLSSはどう区別して覚えればよいですか。

BODとCODはどちらも有機汚濁を酸素消費量で測る指標で、BODは微生物による分解、CODは酸化剤による酸化を用います。SSは水中の浮遊固形物の量、MLSSは反応タンク内の活性汚泥の濃度で、対象と測り方が異なる点を押さえましょう。

出題範囲や計算の出題形式は変わりますか。

試験の範囲や形式は改定されることがあります。本記事は一般的な考え方の整理であり、最新の出題範囲・配点・形式は必ず実施機関が公表する公式の試験案内でご確認ください。

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