下水道技術検定 第3種の合格点は何点?60問中43〜45点の3年実データ
公開:2026-09-12/6つの見出しで解説
「下水道技術検定の第3種は何点取れば受かるのか」——受験を決めたあとに必ず出てくる疑問です。ネット上には「7割くらい」という説明が多いのですが、実施機関である地方共同法人 日本下水道事業団(JS)は、毎年の合格基準点を実数で公表しています。令和7年度(第51回)は60問中45点、令和6年度(第50回)は43点、令和5年度(第49回)は44点。つまり得点率にすると71.7〜75.0%の間で動いており、「7割」を目標にすると年によっては届きません。この記事では、JSの記者発表資料から合格基準点・受検者数・合格率を3年分そろえ、そこから逆算した現実的な目標点と、令和8年度(第52回)の試験日である11月8日までの詰め方を整理します。試験そのものの概要や科目別の勉強法は下水道技術検定 第3種の出題傾向と独学勉強法にまとめてあるので、この記事は数字の話に絞ります。
結論——合格基準点は毎年公表されている。直近3年は60問中43〜45点
まず事実から確認します。JSは合格発表のたびに記者発表資料を出しており、その別紙2「合格基準一覧」に出題数・満点・合格基準点が明記されています。第3種の直近3年分は次のとおりです。
令和7年度(第51回):出題数60問・満点60点・合格基準点45点(得点率75.0%)(出典:第51回下水道技術検定の合格者発表・記者発表資料/令和7年12月17日)
令和6年度(第50回):出題数60問・満点60点・合格基準点43点(得点率71.7%)(出典:第50回下水道技術検定の合格者発表・記者発表資料/令和6年12月18日)
令和5年度(第49回):出題数60問・満点60点・合格基準点44点(得点率73.3%)(出典:第49回下水道技術検定の合格者発表・記者発表資料/令和5年12月20日)
※得点率は公表値ではなく、当サイトが合格基準点÷満点で計算した数字です。
ここで押さえてほしいのは2点です。ひとつは、合格基準点が事前には分からないこと。JSが基準点を公表するのは合格発表と同時で、受験の時点では「今年は何点か」を知る方法がありません。もうひとつは、その基準点が年によって2点動いていることです。43点の年もあれば45点の年もある。事前に分からない数字が動くのですから、ぎりぎりを狙う設計は危険です。
なお、出題方式の呼び方は資料によって「多肢選択式」「択一式」と表記が揺れていますが、いずれもマークシートで、60問・満点60点という構成は3年とも変わっていません。
「7割で受かる」が危ない理由——目標は48点に置く
得点率で並べ直すと、直近3年は71.7%・73.3%・75.0%です。7割ちょうど(42点)では、3年とも不合格でした。「7割取れば受かる試験」という説明は、この試験に関しては実態とずれています。
では何点を目標にすべきか。当サイトとしての考え方は48点(80%)です。根拠は2つあります。第一に、直近3年で最も高い基準点が45点なので、45点を目標にすると「その年がいちばん厳しい年だった場合に、1問も落とせない」状態になります。第二に、本番では自己採点の見込みより1〜3問ぶん下振れするのが普通だからです。マークのずれ、問題文の読み違い、見直し時間の不足——どれも演習では起きにくく、本番では起きます。48点を目標にしておけば、基準点が45点の年でも3問ぶんの余裕が残ります。
逆算するとこうなります。60問のうち、落としてよいのは12問まで。5科目に均すと1科目あたり2〜3問です。「この科目は捨てる」という戦略が成り立たないことが、この数字から分かります。
そしてもうひとつ、時間の設計も数字で押さえておきましょう。令和8年度の第3種は13時15分から16時30分まで(195分)です(出典:第52回下水道技術検定及び第40回下水道管理技術認定試験の受験案内/2026年7月17日版)。60問で割ると1問あたり3分15秒。マークシートの見直し時間を20分残すとしても、1問2分55秒は使える計算です。時間に追われる試験ではありません。焦って読み飛ばすより、問題文の「最も不適切なものはどれか」を読み違えないことのほうが、ここでは得点に直結します。
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無料で問題を解く科目ごとの足切りは無い——合否は総合点だけで決まる
受験生からよく出る質問が「苦手な科目があると、総合点が足りていても落ちるのか」です。JSの記者発表資料には、科目別の基準点についての記載はありません。書かれているのは次の一文だけです。
「下水道技術検定(第2種、第3種)、下水道管理技術認定試験(管路施設)において、総合点数が下記表の合格基準点以上の者を合格としています。」(出典:第51回の記者発表資料 別紙2)
つまり、公表されている合格の条件は総合点が基準点以上であることの1点です。科目ごとの足切りがあるという記述は、少なくとも公表資料の中には見当たりません。
これは実際の問題冊子の作りとも整合します。当サイトで令和7年度(第51回)の第3種の問題PDFを確認したところ、問1から問60まで通し番号で並んでいるだけで、科目の区切りは冊子上に示されていません(2026年9月12日確認)。科目ごとに何問出るかという配分も、受験案内には書かれていません。受験案内が示しているのは科目名だけで、第3種は「下水処理、工場排水、運転管理、安全管理及び法規」の5科目です。
ここから導かれる実務的な結論は、「配点が読めない以上、全科目をまんべんなく仕上げるのが最も効率がよい」ということです。ヤマを張る対象がそもそも公表されていません。ただし、これは公表資料から言えることの範囲です。合否判定の内部的な運用まで確認できているわけではないので、科目別の基準が絶対に存在しないと断定はできません。判断に迷う点は日本下水道事業団の技術検定ページから直接問い合わせるのが確実です。
合格率は33.8〜38.6%——「半分以上が落ちる試験」であることの意味
合格基準点とあわせて、合格率も3年分そろえておきます(いずれも上に挙げた記者発表資料が出典)。
令和7年度(第51回):受検者4,377人・合格者1,688人・合格率38.6%
令和6年度(第50回):受検者4,434人・合格者1,498人・合格率33.8%
令和5年度(第49回):受検者4,624人・合格者1,763人・合格率38.1%
3年とも30%台で、受検した人の6割以上が落ちています。この試験は受験資格に制限がなく、学歴・実務経験・年齢を問わず誰でも申し込めます(出典:第52回の受験案内)。受験資格で絞り込まれていない集団の中で、6割が基準点に届いていないということです。
この数字の読み方には注意が必要です。合格率が33.8%から38.6%へ動いているのは、問題が易しくなった/難しくなったという意味とは限りません。基準点そのものが43点→45点と動いているため、「難易度と基準点の両方が動いた結果の合格率」だからです。合格率の上下を見て一喜一憂するより、基準点の上限である45点を前提に、48点を狙うという一貫した設計のほうが実用的です。
もうひとつ。受検者数は4,377〜4,624人と、3年でほぼ横ばいです。この規模の試験では、対策教材の選択肢もそれほど多くありません。次の節で、実際に手に入る教材を整理します。
48点を取るための教材——公式は最新1年分だけ、市販は過去7年分
この試験のややこしいところは、公式が過去問を公開しているのに、探しても見つけにくいことです。事実関係を分けて書きます。
①公式は試験問題と正答を公開している。ただし最新年度だけ。 JSは試験後に第3種の問題PDFと正答PDFを公式サイトに掲載します。当サイトで2026年9月12日に確認した時点では、令和7年度(第51回)の問題・正答だけが公開されており、令和6年度以前の同じ形式のPDFは公開が終了していました。常設のアーカイブではなく、年度が進むと入れ替わります。掲載場所は年によって変わるので、日本下水道事業団の技術検定ページから辿ってください。見つけたらその場でダウンロードして保存しておくのが確実です。なお公式に出るのは問題と正答番号だけで、解説は付きません。
②市販の問題集は過去7年分をまとめている。 オーム社の『2026-2027年版 下水道第3種技術検定試験 攻略問題集』(関根康生 著/2026年1月27日発売・A5判344頁/定価3,960円・税込/ISBN 978-4-274-23444-6)は、2019年から2025年までの過去7年間に出題された全問題を、法規・工場排水・下水処理(汚泥処理)・運転管理・安全管理の分野別に整理し、各選択肢に解説を付けた構成です。過去7年間に同じ内容が何回出たかが分かる作りになっています(出典:オーム社の書籍ページ)。
同じ著者・同じ版で『2026-2027年版 下水道第3種技術検定試験 合格テキスト』(2026年1月27日発売・A5判470頁/定価4,180円・税込/ISBN 978-4-274-23443-9)もあります。こちらは要点解説→練習問題→確認という流れのテキストで、各章末に「まとめ・直前確認リスト」が付いています(出典:オーム社の書籍ページ)。
選び方の目安を書いておきます。すでに下水処理場やポンプ場の実務に就いている人は、問題集1冊から入って構いません。現場で見ているものが問われるので、解きながら足りない知識を拾うほうが速いからです。逆に実務経験がない状態で受ける人は、テキストを先に通したほうが結果的に早くなります。用語の意味が分からないまま過去問を解いても、解説を読むのに時間がかかりすぎます。
③当サイトの模擬問題は無料で、全問に解説が付いています。 下水道(処理施設・ポンプ施設)の維持管理に関する標準知識をもとに、公式の5科目に対応させて独自作成した多肢選択式の問題です。本物の試験問題の転載ではありません。公式が公開している問題PDFにも解説が付かないため、「なぜその選択肢が誤りなのか」を確認する用途にはこちらが使えます。下水道技術検定 第3種の問題を解くからすぐ始められます(登録不要・全問無料)。
11月8日まで——基準点を超えるための詰め方
令和8年度(第52回)の日程を確認しておきます。試験日は令和8年11月8日(日)、第3種の時間は13時15分から16時30分。会場は札幌市・仙台市・東京都・新潟市・名古屋市・大阪市・広島市・高松市・福岡市・那覇市の10都市です。合格発表は令和8年12月16日(水)(第1種のみ令和9年2月3日)。検定手数料は9,200円にシステム利用料528円を加えた合計9,728円(いずれも税込)で、納付後は理由を問わず返還されません。申込受付は令和8年6月15日から7月31日までで、すでに締め切られています(出典:第52回の受験案内・2026年7月17日版)。
残り期間の使い方を、点数の設計から逆算して並べます。
まず、いま何点取れるかを測る。 目標が48点である以上、現在地が30点なのか44点なのかで打ち手がまったく変わります。当サイトの模擬問題を科目を絞らずに通しで解くか、公式が公開している令和7年度の問題PDFを時間を計って解いてみてください。ここで出た点数に落ち込む必要はありません。測ることが目的です。
次に、落としている科目を特定する。 60問のうち12問までしか落とせないので、どの科目で何問落としているかが分かれば、やるべきことは自動的に決まります。当サイトで演習していれば弱点分析に科目別の到達度が出るので、7割に届いていない科目から順に潰します。
そのうえで、間違えた問題だけを回す。 直前期に新しい教材へ手を出すのは得策ではありません。一度間違えた問題は間違えた問題にたまるので、そこを繰り返すほうが点数の伸びが素直です。このとき、正解の番号を覚えるのではなく「他の3つがなぜ誤りなのか」を一言で言えるかを確認してください。この試験は「最も不適切なものはどれか」という問い方が多く、消去法の精度がそのまま点数になります。
計算問題は手順を固定しておく。 BOD・SS・滞留時間・返送汚泥率といった計算は、解き方を覚えてしまえば毎年安定して取れる得点源です。手順は下水道技術検定 第3種の計算問題の解き方にまとめてあります。本番で式を思い出すところから始めると時間を失うので、式を見ないで書けるところまで持っていくのが目標です。
最後に、当日の持ち物と会場は公式で確認する。 受験上の注意事項は年度ごとに更新されるため、当サイトでは転記しません。日本下水道事業団の技術検定ページにある受験案内と当日の注意事項を、試験週に必ず自分の目で確認してください。
よくある質問
下水道技術検定 第3種は何点取れば合格ですか?
合格基準点は毎年、合格発表と同時に日本下水道事業団が公表しています。第3種は出題数60問・満点60点で、令和7年度(第51回)は45点、令和6年度(第50回)は43点、令和5年度(第49回)は44点でした(出典:各年度の合格者発表に関する記者発表資料)。得点率にすると71.7〜75.0%です。事前に基準点は公表されないため、当サイトでは直近3年の上限である45点に余裕を足した48点(80%)を目標にすることをおすすめしています。
合格基準点は毎年変わるのですか?
直近3年は43点・44点・45点と2点の幅で動いています。日本下水道事業団は合格発表のたびに「別紙2 合格基準一覧」でその年の基準点を公表していますが、試験前に公表されることはありません。「7割(42点)取れば受かる」という説明は、直近3年のいずれの年度でも基準点に届いていないため、目標設定としては危険です。
科目ごとの足切り(基準点)はありますか?
公表資料の中には、科目別の基準点に関する記載はありません。記者発表資料に書かれているのは「総合点数が合格基準点以上の者を合格としています」という一文だけです。また、令和7年度の問題PDFは問1〜問60が通し番号で並んでおり、冊子上に科目の区切りはなく、科目ごとの出題数も公表されていません。配分が読めない以上、全科目をまんべんなく仕上げるのが現実的です。ただし内部的な運用まで確認できるわけではないので、気になる場合は実施機関にご確認ください。
第3種の合格率はどのくらいですか?
日本下水道事業団の公表値では、令和7年度(第51回)が受検4,377人・合格1,688人で38.6%、令和6年度(第50回)が受検4,434人・合格1,498人で33.8%、令和5年度(第49回)が受検4,624人・合格1,763人で38.1%です。直近3年は33.8〜38.6%で、受検者の6割以上が不合格になっています。受験資格に制限がない試験であることを踏まえると、無対策での合格は難しい水準です。
過去問はどこで手に入りますか?
日本下水道事業団が試験後に第3種の問題と正答を公式サイトで公開します。ただし常設のアーカイブではなく、掲載されるのは基本的に最新年度分のみで、一定期間が過ぎると取り下げられます(2026年9月12日時点では令和7年度分のみ公開を確認)。見つけた時点で保存しておくのが確実です。なお公式に出るのは問題と正答番号だけで解説は付きません。複数年分を解説つきで解きたい場合は、オーム社『2026-2027年版 下水道第3種技術検定試験 攻略問題集』が2019〜2025年の全問題を分野別に収録しています。当サイトの模擬問題は独自作成で、実際の試験問題の転載ではありません。
令和8年度(第52回)の試験日と合格発表はいつですか?
試験日は令和8年11月8日(日)で、第3種の試験時間は13時15分から16時30分です。会場は札幌・仙台・東京・新潟・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・那覇の10都市。合格発表は令和8年12月16日(水)です。申込受付は令和8年6月15日から7月31日までで、すでに締め切られています(出典:第52回下水道技術検定及び第40回下水道管理技術認定試験の受験案内・2026年7月17日版)。日程は変更されることがあるため、受験前に必ず公式サイトでご確認ください。
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