下水道技術検定3種「安全管理」対策
酸素欠乏・硫化水素(閉鎖空間作業)、換気・ガス検知、呼吸用保護具、感電・機械災害の防止、塩素等の薬品取扱い、墜落防止、労働安全衛生法・作業主任者を扱う科目です。
収録問題数:29問(解説つき)/最終更新:2026年8月
「安全管理」で実際に問われること
収録している29問から20問を、本番と同じ四肢択一の形で抜粋しました。各問の「正解と解説」を開くと、正解と、解答の根拠になる要点が読めます。
例1酸素欠乏症等防止規則において、酸素欠乏症の防止のため作業場の空気中に維持すべき酸素濃度として最も適切なものはどれか。
- 1.16%以上
- 2.18%以上
- 3.21%以上
- 4.23%以上
▶正解と解説
正解:2
酸素欠乏症等防止規則では、酸素欠乏とは空気中の酸素濃度が18%未満の状態をいい、作業場では酸素濃度を18%以上に保つ必要がある。マンホールやポンプ井などの閉鎖空間に立ち入る際は測定と換気が不可欠である。
例2硫化水素中毒の防止に関して、酸素欠乏症等防止規則で定める作業場の空気中の硫化水素濃度の上限として最も適切なものはどれか。
- 1.1ppm以下
- 2.10ppm以下
- 3.100ppm以下
- 4.1000ppm以下
▶正解と解説
正解:2
酸素欠乏症等防止規則では、硫化水素濃度が10ppmを超える状態を硫化水素中毒のおそれがある状態と定め、作業場では10ppm以下に保つ必要がある。下水道のマンホールやポンプ井では硫化水素が発生しやすく注意を要する。
例3下水道のマンホール内で発生し、酸素欠乏や中毒の原因となる有毒ガスとして、最も不適切なものはどれか。
- 1.硫化水素
- 2.メタン
- 3.二酸化炭素
- 4.窒素酸化物(NOx)
▶正解と解説
正解:4
下水道の管渠やマンホール内では、嫌気性分解により硫化水素やメタン、二酸化炭素が発生し、酸素欠乏や中毒、爆発の危険がある。窒素酸化物は主に燃焼に伴う大気汚染物質であり、下水管内で問題となる典型ガスではない。
例4閉鎖空間における換気に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- 1.酸素欠乏のおそれがある場所では作業前に十分な換気を行う
- 2.硫化水素が滞留するおそれがある場所では強制換気を行う
- 3.純酸素を用いて換気すれば効率的で安全である
- 4.換気は作業中も継続して行う必要がある
▶正解と解説
正解:3
閉鎖空間の換気には新鮮な空気(外気)を用い、純酸素を用いてはならない。純酸素の使用は火災・爆発の危険を高め、また酸素中毒の危険もある。換気は作業前だけでなく作業中も継続して行う。
例5酸素欠乏危険作業に従事させる場合の措置として、最も不適切なものはどれか。
- 1.作業開始前に酸素濃度を測定する
- 2.酸素欠乏危険作業主任者を選任する
- 3.特別教育を受けていない者に単独で作業させる
- 4.空気呼吸器等の保護具を備える
▶正解と解説
正解:3
酸素欠乏危険作業では、作業前の濃度測定、作業主任者の選任、保護具の備え付けが必要であり、従事する労働者には特別教育を行わなければならない。特別教育を受けていない者に作業させることは認められない。
例6酸素欠乏危険場所での救助活動に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.要救助者を発見したら直ちに素手で内部へ入り救助する
- 2.救助者は送気マスクまたは空気呼吸器を着用して進入する
- 3.防じんマスクを着用すれば酸素欠乏場所でも安全に救助できる
- 4.内部の酸素濃度が低いほど人命優先で無装備突入する
▶正解と解説
正解:2
酸素欠乏場所での二次災害は救助者が無防備で進入することで多発する。救助者は必ず送気マスクや空気呼吸器などの給気式保護具を着用する。防じんマスクは酸素を供給しないため酸素欠乏場所では無効である。
例7呼吸用保護具に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- 1.送気マスクは清浄な空気を外部から供給する
- 2.空気呼吸器は高圧空気ボンベを背負い空気を供給する
- 3.防毒マスクは酸素欠乏空気中でも有効である
- 4.防じんマスクは粉じんを捕集するが酸素は供給しない
▶正解と解説
正解:3
防毒マスクや防じんマスクはろ過式であり、空気中の酸素濃度が不足する酸素欠乏場所では使用できない。酸素欠乏や高濃度有毒ガスのおそれがある場所では、送気マスクや空気呼吸器などの給気式(指定)保護具を用いる必要がある。
例8電気設備による感電災害の防止対策として、最も不適切なものはどれか。
- 1.電動機器の金属製外箱を接地(アース)する
- 2.漏電遮断器を設置する
- 3.充電部に絶縁覆いを設ける
- 4.湿潤な場所では接地を省略して作業効率を上げる
▶正解と解説
正解:4
湿潤な場所や水気の多いポンプ室では感電の危険が高く、接地(アース)や漏電遮断器の設置はより重要となる。接地を省略してはならない。充電部の絶縁、接地、漏電遮断器は感電防止の基本対策である。
例9漏電遮断器の役割に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.電路の漏電を検知して電路を遮断し感電や火災を防ぐ
- 2.電圧を一定に保ち機器の電圧変動を防ぐ
- 3.力率を改善して電気料金を低減する
- 4.過剰な照度を抑えて省エネを図る
▶正解と解説
正解:1
漏電遮断器は電路に漏電(地絡)が生じた際にこれを検知して自動的に電路を遮断し、感電や電気火災を防止する保護装置である。電圧安定や力率改善とは目的が異なる。
例10回転体や機械による「はさまれ・巻き込まれ」災害の防止対策として、最も不適切なものはどれか。
- 1.回転部や駆動部に覆い(カバー)を設ける
- 2.点検・修理中は起動できないようロックアウトする
- 3.運転中は回転体に巻き込まれない服装とする
- 4.清掃時は機械を運転したまま手で付着物を除去する
▶正解と解説
正解:4
清掃や点検、修理を運転中の機械に手を入れて行うことは、はさまれ・巻き込まれ災害の典型的原因である。必ず機械を停止し、ロックアウト(施錠)して不意の起動を防いでから作業する。回転部の覆いや適切な服装も基本対策である。
例11機械の修理・点検時に行うロックアウト・タグアウトの目的として、最も適切なものはどれか。
- 1.機械の作業効率を向上させる
- 2.作業中の機械が不意に起動するのを防ぐ
- 3.機械の防錆を図る
- 4.騒音や振動を低減する
▶正解と解説
正解:2
ロックアウト・タグアウトは、修理や点検中の機械が第三者の操作などで不意に起動し、作業者がはさまれ・巻き込まれることを防ぐための措置である。電源やバルブを施錠し、表示札で作業中であることを明示する。
例12塩素ガスの取扱いに関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- 1.塩素は空気より重く低所に滞留しやすい
- 2.塩素ボンベは直射日光を避け換気のよい場所に保管する
- 3.塩素は人体に無害なので保護具なしで漏えい処理してよい
- 4.漏えい時は風上に退避し関係者以外を近づけない
▶正解と解説
正解:3
塩素ガスは強い毒性と刺激性を持ち、吸入すると呼吸器に重大な障害を引き起こす。漏えい処理には適切な保護具が必要である。塩素は空気より重く低所に滞留するため、漏えい時は風上の高所へ退避する。
例13次亜塩素酸ナトリウムの取扱いに関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- 1.酸性薬品と混触すると有毒な塩素ガスが発生する
- 2.皮膚や眼に対して刺激性・腐食性がある
- 3.直射日光や高温を避けて保管する
- 4.酸と混ぜると消毒効果が高まるため積極的に混合する
▶正解と解説
正解:4
次亜塩素酸ナトリウムは酸性物質と混触すると有毒な塩素ガスを発生するため、絶対に酸と混ぜてはならない。皮膚・眼への刺激性があり、保護具を着用して取り扱う。光や熱で分解するため冷暗所に保管する。
例14高所作業や開口部での墜落・転落防止対策として、最も不適切なものはどれか。
- 1.作業床の端や開口部に手すりや囲いを設ける
- 2.墜落のおそれがある箇所では墜落制止用器具を使用する
- 3.マンホール開口部は作業中も開放したまま標識を省略する
- 4.昇降には固定はしごや安全な昇降設備を用いる
▶正解と解説
正解:3
マンホールや水槽の開口部は墜落・転落の危険があり、作業中は囲いや標識で明示し、開放したまま放置してはならない。手すりや囲いの設置、墜落制止用器具の使用、安全な昇降設備の利用が基本対策である。
例15墜落制止用器具(安全帯)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.一定の高さ以上ではフルハーネス型の使用が原則とされている
- 2.胴ベルト型はいかなる高さでも全面的に使用が禁止されている
- 3.ランヤードのフックは足元の低い位置に掛けるほど安全である
- 4.点検は不要で破損があっても使用を続けてよい
▶正解と解説
正解:1
墜落制止用器具は一定の高さ以上の作業ではフルハーネス型の使用が原則とされている。フックはできるだけ高い位置(腰より上)に掛けると落下距離が短くなり安全性が高い。使用前点検を行い、損傷品は使用しない。
例16労働安全衛生法に基づく作業主任者に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.作業主任者は資格を問わず誰でも務められる
- 2.酸素欠乏危険作業には作業主任者の選任が必要である
- 3.作業主任者の職務に作業方法の決定や指揮は含まれない
- 4.作業主任者は労働者の安全とは無関係の事務職である
▶正解と解説
正解:2
労働安全衛生法では、酸素欠乏危険作業など一定の危険・有害作業について作業主任者の選任を義務づけている。作業主任者は技能講習修了などの資格を有し、作業方法の決定、労働者の指揮、保護具の使用状況の監視などを職務とする。
例17安全衛生教育に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- 1.労働者を雇い入れたときは安全衛生教育を行う
- 2.作業内容を変更したときも安全衛生教育を行う
- 3.危険・有害業務に就かせる際は特別教育を行う
- 4.ベテラン作業員には一切の安全衛生教育を行わない
▶正解と解説
正解:4
労働安全衛生法では、雇入れ時や作業内容変更時の安全衛生教育、危険・有害業務への特別教育などが定められている。経験年数にかかわらず必要な教育は実施すべきであり、ベテランだからといって省略してよいものではない。
例18下水道施設で従事する作業者の感染症対策として、最も不適切なものはどれか。
- 1.汚水・汚泥に触れる作業では手袋等の保護具を着用する
- 2.作業後は手洗い・うがいを励行する
- 3.必要に応じて予防接種を受ける
- 4.汚水に触れた手でそのまま飲食しても問題ない
▶正解と解説
正解:4
下水道の汚水・汚泥には病原性の微生物が含まれることがあり、経口感染を防ぐため汚れた手での飲食は厳禁である。手袋等の保護具着用、作業後の手洗い・うがい、必要な予防接種などで感染リスクを低減する。
例19ガス検知・測定に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- 1.閉鎖空間では酸素濃度と硫化水素濃度を作業前に測定する
- 2.可燃性ガスの有無は爆発下限界に対する濃度を測定する
- 3.測定器は定期的に校正し正常に作動することを確認する
- 4.一度測定して安全なら作業中は再測定しなくてよい
▶正解と解説
正解:4
閉鎖空間の状態は時間とともに変化するため、作業前の測定だけでなく作業中も継続的に監視・測定することが望ましい。酸素・硫化水素・可燃性ガスを測定し、測定器は定期校正して信頼性を確保する。
例20汚泥消化槽など可燃性ガス(メタン)が発生する施設の安全管理として、最も不適切なものはどれか。
- 1.メタンは爆発・引火のおそれがあり火気を厳禁とする
- 2.ガスが滞留しないよう換気を行う
- 3.防爆構造の電気機器を使用する
- 4.内部点検時は裸火で照らして視認性を確保する
▶正解と解説
正解:4
汚泥消化槽で発生するメタンは可燃性で、空気と一定割合で混合すると爆発・引火の危険がある。火気は厳禁であり、裸火による照明は極めて危険である。換気や防爆構造機器の使用、火気管理が安全管理の基本である。
※掲載しているのは、公式資料をもとに当サイトが独自作成した模擬問題です(実際の試験問題の転載ではありません)。採点・間違えた問題の自動記録・復習スケジュールまで使うには、下のボタンから演習モードでどうぞ。