下水道技術検定3種「法規」対策
下水道法の目的・定義(公共下水道・流域下水道・終末処理場・排水区域)、排水設備・除害施設、特定施設、放流水質基準、第22条の有資格者など下水道関連法規を扱う科目です。
収録問題数:28問(解説つき)/最終更新:2026年8月
「法規」で実際に問われること
収録している28問から20問を、本番と同じ四肢択一の形で抜粋しました。各問の「正解と解説」を開くと、正解と、解答の根拠になる要点が読めます。
例1下水道法の目的として、最も適切なものはどれか。
- 1.都市の健全な発達及び公共の安全の確保に資すること
- 2.流域における水資源の確保及び農業用水の供給を図ること
- 3.都市の健全な発達及び公衆衛生の向上に寄与し、あわせて公共用水域の水質の保全に資すること
- 4.河川の流水の正常な機能の維持及び洪水被害の軽減を図ること
▶正解と解説
正解:3
下水道法第1条は、下水道の整備を図り、都市の健全な発達及び公衆衛生の向上に寄与し、あわせて公共用水域の水質の保全に資することを目的とすると定めている。生活環境の改善と水質保全の両面が掲げられている点が特徴である。
例2下水道法における「下水」の定義として、最も適切なものはどれか。
- 1.生活若しくは事業に起因し、又は付随する廃水及び雨水をいう
- 2.工場及び事業場から排出される廃水のみをいう
- 3.家庭から排出される汚水のみをいう
- 4.河川、湖沼その他公共の水域に流入する地下水をいう
▶正解と解説
正解:1
下水道法第2条第1号は、下水を「生活若しくは事業(耕作の事業を除く)に起因し、若しくは付随する廃水(汚水)又は雨水」と定義している。汚水と雨水の双方を含む点に注意する。
例3公共下水道の説明として、最も適切なものはどれか。
- 1.専ら市街地における雨水のみを排除する都市下水路
- 2.主として市街地における下水を排除し、又は処理するために地方公共団体が管理する下水道
- 3.二以上の市町村の下水を排除する都道府県が管理する下水道
- 4.工場専用の排水を処理する民間の下水道
▶正解と解説
正解:2
公共下水道は、主として市街地における下水を排除し、又は処理するために地方公共団体が管理する下水道で、終末処理場を有するもの又は流域下水道に接続するものをいう。市町村が管理するのが原則である。
例4流域下水道に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.一の市町村の区域内の下水のみを処理する下水道である
- 2.専ら雨水を排除するために設けられる下水道である
- 3.二以上の市町村の区域における下水を排除し、終末処理場を有するもので、原則として都道府県が管理する
- 4.終末処理場を有しない雨水排除専用の施設である
▶正解と解説
正解:3
流域下水道は、二以上の市町村の区域における下水を排除し、これを終末処理場で処理するもので、原則として都道府県が管理する。広域的に下水を集めて処理する点が公共下水道と異なる。
例5都市下水路に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- 1.主として市街地における下水を排除するために地方公共団体が管理する
- 2.原則として終末処理場を有しない
- 3.一定の規模以上のもので都道府県知事の指定を受けたものをいう
- 4.汚水を高度処理して放流するための処理場を必ず備える
▶正解と解説
正解:4
都市下水路は主として市街地の雨水等を排除するための水路で、終末処理場を有しないのが原則である。汚水を処理する終末処理場を必ず備えるという記述は誤りである。
例6下水道法における「終末処理場」の定義として、最も適切なものはどれか。
- 1.下水を最終的に処理して河川その他の公共の水域又は海域に放流するために下水道の施設として設けられる処理施設及びこれを補完する施設
- 2.下水管きょの末端に設けられるポンプ施設のみをいう
- 3.雨水を一時的に貯留するための調整池をいう
- 4.排水設備の末端に設けられる公共ますをいう
▶正解と解説
正解:1
終末処理場とは、下水を最終的に処理して公共の水域又は海域に放流するために下水道の施設として設けられる処理施設及びこれを補完する施設をいう。第3種ではこの処理施設の維持管理が主たる対象となる。
例7排水区域に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.公共下水道により下水を排除することができる地域で、公示された区域をいう
- 2.終末処理場で下水を処理できる地域をいう
- 3.雨水のみを排除できる区域をいう
- 4.下水道管が将来敷設される予定の計画区域をいう
▶正解と解説
正解:1
排水区域とは、公共下水道により下水を排除することができる地域で、供用開始の公示がされた区域をいう。これに対し処理区域は、終末処理場により下水を処理できる区域をいい、両者は区別される。
例8処理区域に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.排水区域のうち、終末処理場により下水を処理することができる区域として公示された区域
- 2.雨水のみを排除する区域
- 3.下水道管が敷設されていない区域
- 4.工場排水のみを処理する区域
▶正解と解説
正解:1
処理区域とは、排水区域のうち、公共下水道(終末処理場を有するもの等)により下水を処理することができる区域で、公示された区域をいう。処理区域内では水洗便所への改造義務などが生じる。
例9排水設備の設置義務に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.排水区域内の土地の所有者、使用者又は占有者は、その土地の下水を公共下水道に流入させるために必要な排水設備を設置しなければならない
- 2.排水設備の設置は地方公共団体が行うものとされている
- 3.排水設備の設置は任意であり、義務ではない
- 4.処理区域外の土地でも排水設備の設置が義務づけられる
▶正解と解説
正解:1
下水道法第10条により、排水区域内の土地の所有者、使用者又は占有者は、その土地の下水を公共下水道に流入させるために必要な排水設備を設置しなければならない。設置は原則として設置義務者が行う。
例10処理区域内における水洗便所への改造義務に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.くみ取便所が設けられている建築物を所有する者は、処理開始の日から原則として3年以内に水洗便所に改造しなければならない
- 2.改造義務は処理区域外の建築物にも及ぶ
- 3.改造の期限は法令上定められていない
- 4.改造は地方公共団体の費用で行われる
▶正解と解説
正解:1
下水道法第11条の3により、処理区域内においてくみ取便所が設けられている建築物を所有する者は、処理開始の日から原則として3年以内に水洗便所に改造しなければならない。公衆衛生の向上という目的を反映した規定である。
例11除害施設に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.著しく公共下水道等の機能を妨げ、又は施設を損傷するおそれのある下水を排除する者に対し、条例で設置を義務づけることができる施設
- 2.雨水を貯留して洪水を防ぐための施設
- 3.終末処理場の汚泥を脱水するための施設
- 4.家庭の汚水を浄化する合併処理浄化槽
▶正解と解説
正解:1
除害施設とは、公共下水道等の施設の機能を妨げ又は施設を損傷するおそれのある下水、若しくは終末処理場の放流水の水質基準維持に支障を及ぼすおそれのある下水を排除する者に対し、条例により設置等を義務づけることができる施設をいう。
例12特定施設に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- 1.水質汚濁防止法に規定する特定施設又はダイオキシン類対策特別措置法に規定する水質基準対象施設をいう
- 2.有害物質や生活環境項目に係る汚水等を排出する施設として政令で定められる
- 3.特定施設を設置する工場・事業場を特定事業場という
- 4.一般家庭の台所や浴室の排水口がこれに該当する
▶正解と解説
正解:4
特定施設は水質汚濁防止法等に基づき政令で定められた施設であり、一定の有害物質等を排出するおそれのある施設である。一般家庭の台所や浴室の排水口は特定施設に該当しないため、その記述は誤りである。
例13特定事業場から公共下水道に下水を排除する者に対する規制として、最も適切なものはどれか。
- 1.排除する下水の水質が政令で定める排除基準に適合しないものは排除してはならない
- 2.水質にかかわらず自由に下水を排除できる
- 3.特定事業場には水質規制が一切適用されない
- 4.排除基準は事業者が独自に定める
▶正解と解説
正解:1
下水道法第12条の2により、特定事業場から公共下水道へ下水を排除する者は、政令・条例で定める水質の基準(排除基準)に適合しない下水を排除してはならない。終末処理場の機能保護と放流水質確保のための規制である。
例14特定施設の設置等の届出に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.公共下水道を使用する特定施設を設置しようとする者は、原則としてあらかじめ公共下水道管理者に届け出なければならない
- 2.特定施設の設置に届出は不要である
- 3.届出は施設の設置後1年以内に行えばよい
- 4.届出先は環境大臣である
▶正解と解説
正解:1
下水道法第12条の3により、公共下水道を使用する特定施設を設置しようとする者は、原則として設置工事の開始前にあらかじめ公共下水道管理者に届け出なければならない。事前届出により水質管理を担保している。
例15終末処理場からの放流水の水質基準に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.公共下水道管理者は、終末処理場からの放流水の水質を政令で定める技術上の基準に適合させなければならない
- 2.放流水の水質基準は定められていない
- 3.放流水質は終末処理場ごとに自由に設定できる
- 4.放流水質基準は雨水のみに適用される
▶正解と解説
正解:1
下水道法第8条により、公共下水道からの放流水の水質は、政令で定める技術上の基準に適合するものでなければならない。これにより公共用水域の水質保全が図られる。第3種の処理施設維持管理はこの基準達成に直結する。
例16下水道法第22条に基づく、処理施設の維持管理に関する技術上の業務をつかさどる者に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.政令で定める規模以上の終末処理場の維持管理に関する技術上の業務をつかさどる者として、有資格者を置かなければならない
- 2.技術上の業務をつかさどる者の資格要件は定められていない
- 3.当該業務は無資格者が行ってよい
- 4.当該規定は雨水ポンプ場のみに適用される
▶正解と解説
正解:1
下水道法第22条により、政令で定める規模以上の終末処理場には、その維持管理に関する技術上の業務をつかさどる者として一定の資格を有する者を置かなければならない。下水道技術検定はこの有資格者を養成する制度の一つである。
例17公共下水道の供用開始の公示に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.公共下水道管理者は、供用を開始しようとするときは、あらかじめ排水区域その他必要な事項を公示しなければならない
- 2.供用開始に公示は不要である
- 3.公示は供用開始から3年後に行う
- 4.公示は終末処理場の廃止時にのみ行う
▶正解と解説
正解:1
下水道法第9条により、公共下水道管理者は供用を開始しようとするときは、あらかじめ供用開始の年月日、排水区域等を公示し、図面を公衆の縦覧に供しなければならない。この公示により排水区域・処理区域が確定する。
例18下水道台帳に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.公共下水道管理者は下水道台帳を調製し、これを保管しなければならない
- 2.下水道台帳の調製は任意である
- 3.下水道台帳は供用開始前に廃棄してよい
- 4.下水道台帳は国土交通大臣が保管する
▶正解と解説
正解:1
下水道法第23条により、公共下水道管理者は下水道台帳を調製し、これを保管しなければならない。台帳は施設の管きょ・処理場等の状況を記載した重要な維持管理資料であり、関係者の閲覧に供される。
例19下水道法と水質汚濁防止法との関係に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.公共下水道に排除される下水については、終末処理場で処理されることを前提に、下水道法による水質規制が適用される
- 2.公共用水域に直接排出する場合も下水道法のみが適用される
- 3.両法は全く関係がなく重複して適用されることはない
- 4.水質汚濁防止法は下水道には一切関係しない
▶正解と解説
正解:1
工場・事業場の排水が公共下水道に排除される場合は下水道法による排除基準等の規制が、公共用水域に直接排出される場合は水質汚濁防止法による排水基準が適用される。終末処理場で再度処理されることを踏まえて規制体系が整理されている。
例20終末処理場の維持管理に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- 1.放流水の水質を政令で定める技術上の基準に適合させるよう維持管理する必要がある
- 2.発生する汚泥は適正に処理・処分しなければならない
- 3.処理機能を維持するため運転管理や水質測定を行う
- 4.放流水質さえ守れば処理過程で発生する汚泥は管理しなくてよい
▶正解と解説
正解:4
終末処理場の維持管理では、放流水質の基準適合のみならず、処理過程で発生する汚泥の適正な処理・処分も不可欠である。汚泥を管理しなくてよいとする記述は誤りである。第3種では処理施設・汚泥処理を含む維持管理が問われる。
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