下水道技術検定3種「運転管理」対策
ポンプ(全揚程・比速度・キャビテーション)、送風機、電動機・受変電・自家発電、計装制御(DO計・MLSS計)、設備保全、汚泥処理設備の運転、省エネ運転を扱う科目です。
収録問題数:32問(解説つき)/最終更新:2026年8月
「運転管理」で実際に問われること
収録している32問から20問を、本番と同じ四肢択一の形で抜粋しました。各問の「正解と解説」を開くと、正解と、解答の根拠になる要点が読めます。
例1汚水ポンプの運転に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.流入汚水量は時間変動が小さいため、ポンプは常に一定台数で運転する
- 2.流入汚水量の時間変動に応じて、ポンプの始動・停止を行う台数制御が一般的である
- 3.汚水ポンプは雨天時のみ運転すればよい
- 4.汚水ポンプの吐出量は流入量と無関係に最大で固定する
▶正解と解説
正解:2
流入汚水量は朝夕に多く深夜に少ない時間変動を示す。これに追従するため、ポンプ井の水位に応じてポンプを始動・停止する台数制御を行うのが一般的である。常時一定台数運転では水位が安定しない。
例2ポンプの全揚程に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.全揚程は実揚程から損失水頭を差し引いた値である
- 2.全揚程は実揚程に管路の損失水頭を加えた値である
- 3.全揚程は吐出量に常に反比例する
- 4.全揚程は電動機の極数で決まる
▶正解と解説
正解:2
ポンプの全揚程は、吸込水面と吐出水面の高低差である実揚程に、配管や弁などで生じる損失水頭を加えたものである。実揚程から差し引くのではなく加算する点に注意する。
例3キャビテーションに関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- 1.羽根車表面の壊食(エロージョン)を生じることがある
- 2.振動や騒音、揚程・効率の低下を伴うことがある
- 3.有効吸込水頭(NPSH)が必要値を上回ると発生しやすい
- 4.吸込側の圧力が飽和蒸気圧以下になると気泡が発生する
▶正解と解説
正解:3
キャビテーションは利用できる有効吸込水頭が必要吸込水頭を下回ると発生しやすい。上回っている間は発生しにくい。気泡の発生・崩壊により壊食・振動・騒音・性能低下を招く。
例4スクリューポンプ(らせんポンプ)の特徴として、最も適切なものはどれか。
- 1.高揚程の送水に適している
- 2.低揚程・大水量の揚水に適し、夾雑物に強い
- 3.吐出量の調整ができない
- 4.羽根車を高速回転させる遠心ポンプの一種である
▶正解と解説
正解:2
スクリューポンプは低揚程で大水量を揚水でき、固形物や夾雑物を含む下水でも閉塞しにくい。回転数の調整で吐出量を変えられ、雨水や流入ポンプとして用いられる。
例5遠心ポンプの比速度に関する記述として、正しいものはどれか。
- 1.比速度が大きいほど高揚程・小水量に適する
- 2.比速度が小さいほど高揚程・小水量に適する
- 3.比速度は吐出量と無関係である
- 4.比速度は電動機の電圧で決まる
▶正解と解説
正解:2
比速度はポンプの羽根車形状を表す指標で、値が小さいものほど高揚程・小水量、大きいものほど低揚程・大水量に適する。羽根車の選定や相似則の検討に用いられる。
例6ポンプの軸動力に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.軸動力は吐出量・全揚程に比例し、ポンプ効率に反比例する
- 2.軸動力は全揚程のみで決まり吐出量とは無関係である
- 3.軸動力はポンプ効率に比例する
- 4.軸動力は水の密度とは無関係である
▶正解と解説
正解:1
ポンプの軸動力は、水の密度・重力加速度・吐出量・全揚程の積をポンプ効率で除して求める。すなわち吐出量と全揚程に比例し、効率に反比例する。効率が高いほど必要動力は小さくなる。
例7反応タンクへ空気を供給する送風機(ブロワ)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.ターボ形は容積形に比べ大風量に適する
- 2.容積形は吐出圧力が風量とともに大きく変動する
- 3.ターボ形はサージングを起こすことはない
- 4.容積形ブロワは送風量を調整できない
▶正解と解説
正解:1
ターボ形(遠心式)は大風量の送風に適し、容積形(ルーツ式など)は吐出圧力がほぼ一定で小〜中風量に適する。ターボ形は風量を絞りすぎるとサージングを起こすことがある。
例8三相誘導電動機に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- 1.同期速度は電源周波数に比例し、極数に反比例する
- 2.回転速度は同期速度よりわずかに低く、その差をすべりという
- 3.始動電流は定格電流より小さいのが一般的である
- 4.インバータで周波数を変えると回転速度を変えられる
▶正解と解説
正解:3
誘導電動機の始動電流は定格電流の数倍に達するのが一般的で、スターデルタ始動などで抑制する。同期速度は周波数に比例し極数に反比例し、運転時はすべり分だけ低速で回る。
例9自家発電設備に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.商用電源が正常なときも常時運転して負荷を分担する
- 2.停電時に保安上重要な設備へ電力を供給する非常用が一般的である
- 3.燃料の備蓄や定期試運転は不要である
- 4.発電容量は需要にかかわらず最小とする
▶正解と解説
正解:2
下水処理場の自家発電設備は、停電時にポンプや監視制御など保安上重要な設備へ電力を供給する非常用が一般的である。確実な起動のため燃料備蓄と定期的な試運転・点検が必要である。
例10溶存酸素(DO)計に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.反応タンク内の汚泥濃度を測定する計器である
- 2.反応タンク内の溶存酸素濃度を測定し、送風量制御に利用される
- 3.処理水のpHを測定する計器である
- 4.汚泥の脱水率を測定する計器である
▶正解と解説
正解:2
DO計は反応タンク内の溶存酸素濃度を連続測定する計器で、その値に基づいて送風量を制御することで、過不足のない曝気と省エネルギー運転を図ることができる。
例11MLSS計に関する記述として、正しいものはどれか。
- 1.反応タンク混合液の浮遊物質濃度を測定する
- 2.流入下水の流量を測定する
- 3.消化ガスの発生量を測定する
- 4.受変電設備の電圧を測定する
▶正解と解説
正解:1
MLSS計は反応タンク混合液浮遊物質(活性汚泥濃度)を連続測定する計器である。返送汚泥量や余剰汚泥引き抜きの管理に利用され、適正な汚泥量の維持に役立つ。
例12雨水ポンプの運転に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.晴天時に常時運転しておく必要がある
- 2.降雨に伴う流入量の急増に対応して運転する
- 3.汚水ポンプより小容量とするのが一般的である
- 4.雨水ポンプには台数制御を適用できない
▶正解と解説
正解:2
雨水ポンプは降雨時に急増する雨水を排除するため運転される。流入量が大きく変動するため、ポンプ井水位に応じた台数制御で対応する。一般に汚水ポンプより大容量が必要となる。
例13機械設備の保全に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.故障してから修理する事後保全のみで運転する
- 2.点検や整備を計画的に行い故障を未然に防ぐ予防保全が重要である
- 3.予防保全は事後保全よりコストが必ず高い
- 4.運転中の振動や温度は監視しなくてよい
▶正解と解説
正解:2
重要設備では、定期点検・整備により故障を未然に防ぐ予防保全が基本となる。突発故障による処理機能停止のリスクを低減できる。運転中の振動・温度・騒音などの監視も保全の一環である。
例14汚泥濃縮設備に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.汚泥の含水率を高めて容積を増やす設備である
- 2.汚泥中の水分を分離し容積を減少させる設備である
- 3.汚泥を焼却して灰にする設備である
- 4.汚泥を消化してガスを得る設備である
▶正解と解説
正解:2
濃縮は汚泥から水分を分離して固形物濃度を高め、後段の消化や脱水を効率化するための前処理である。重力濃縮や機械濃縮があり、汚泥容積を減少させる。
例15嫌気性消化に伴う消化ガスに関する記述として、正しいものはどれか。
- 1.主成分は窒素と酸素である
- 2.主成分はメタンと二酸化炭素である
- 3.可燃性がなく燃料には利用できない
- 4.発生量は汚泥の有機分と無関係である
▶正解と解説
正解:2
嫌気性消化で発生する消化ガスは主にメタンと二酸化炭素からなり、メタンを多く含むため可燃性で燃料として利用できる。発生量は投入汚泥の有機分量に依存する。
例16汚泥脱水機の運転に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- 1.脱水を促進するため凝集剤(高分子凝集剤など)を添加する
- 2.脱水ケーキの含水率は低いほど運搬・処分上有利である
- 3.脱水機には遠心脱水機やベルトプレスなどがある
- 4.脱水機の運転に凝集剤は一切不要である
▶正解と解説
正解:4
汚泥脱水では固液分離を促進するため凝集剤を添加するのが一般的である。遠心脱水機、ベルトプレス、フィルタープレスなどがあり、ケーキ含水率が低いほど後段の処分が有利になる。
例17汚泥焼却炉の運転に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.焼却によって汚泥の容積を大幅に減少させられる
- 2.焼却により汚泥の容積はほとんど変わらない
- 3.焼却炉では補助燃料は決して使用しない
- 4.排ガス処理は不要である
▶正解と解説
正解:1
汚泥焼却は有機分を燃焼させ容積・重量を大幅に減少させる。脱水ケーキの性状により補助燃料を要する場合がある。排ガス中の有害物質に対する処理設備が必要である。
例18省エネルギー運転に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.送風量はDO値にかかわらず常に最大とする
- 2.DO制御やインバータによる回転数制御で消費電力を低減する
- 3.ポンプは台数制御せず常時全台運転する方が省エネである
- 4.省エネ運転は処理水質を必ず悪化させる
▶正解と解説
正解:2
曝気のDO制御や、ポンプ・送風機のインバータによる回転数制御は、需要に応じて運転を最適化し消費電力を低減する代表的な省エネ手法である。処理水質を維持しつつ省エネを図ることが目的である。
例19回転機械の軸受温度や振動の監視に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.軸受温度や振動の上昇は異常の予兆となり得る
- 2.軸受温度は高いほど正常である
- 3.振動は運転中に測定する意味がない
- 4.異常な騒音は性能と無関係なので無視してよい
▶正解と解説
正解:1
ポンプや送風機などの回転機械では、軸受温度の上昇や振動・異音の増大が、潤滑不良・芯ずれ・摩耗など異常の予兆となる。これらを監視することで早期に対応し故障を防げる。
例20流量計・水位計に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.水位計はポンプの始動・停止制御に利用できない
- 2.流量計は流入・処理水量の把握や運転管理に用いられる
- 3.電磁流量計は気体の流量測定専用である
- 4.水位計の値は運転管理に利用しない
▶正解と解説
正解:2
流量計は流入水量や処理水量、返送・余剰汚泥量などの把握に用いられ運転管理の基礎となる。水位計はポンプ井の水位を検出し、ポンプの始動・停止や台数制御の信号として利用される。
※掲載しているのは、公式資料をもとに当サイトが独自作成した模擬問題です(実際の試験問題の転載ではありません)。採点・間違えた問題の自動記録・復習スケジュールまで使うには、下のボタンから演習モードでどうぞ。