コンクリート主任技士「製造・品質管理」対策
レディーミクストコンクリート(JIS A 5308)の製造・計量・運搬、統計的品質管理(標準偏差・変動係数・工程能力指数・管理図・ヒストグラム)、受入れ検査を扱う分野です。
収録問題数:20問(解説つき)/最終更新:2026年8月
「製造・品質管理」で実際に問われること
収録している20問すべてを、本番と同じ四肢択一の形で掲載しています。各問の「正解と解説」を開くと、正解と、解答の根拠になる要点が読めます。
例1JIS A 5308(レディーミクストコンクリート)における呼び強度の保証に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.1回の試験結果が呼び強度の値の85%以上であればよい
- 2.3回の試験結果の平均値が呼び強度の値以上であればよい
- 3.1回の試験結果が呼び強度の85%以上、かつ3回の試験結果の平均値が呼び強度以上であること
- 4.すべての試験結果が呼び強度の値以上であること
▶正解と解説
正解:3
JIS A 5308では強度の合格判定として、1回の試験結果が購入者の指定した呼び強度の強度値の85%以上であり、かつ3回の試験結果の平均値が呼び強度の強度値以上であることを規定している。1回の試験は任意の1運搬車から採取した3個の供試体の平均値である。
例2変動係数が10%、平均強度が40N/mm²のコンクリートの標準偏差として、正しいものはどれか。
- 1.2.0 N/mm²
- 2.10.0 N/mm²
- 3.8.0 N/mm²
- 4.4.0 N/mm²
▶正解と解説
正解:4
変動係数(CV)=標準偏差(σ)÷平均値(x̄)×100で定義される。したがって標準偏差σ=CV×x̄÷100=10×40÷100=4.0 N/mm²となる。
例3x̄-R管理図に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- 1.管理限界線は通常、中心線の上下に標準偏差の2倍(±2σ)の位置に設定する
- 2.R管理図は群内の範囲(最大値-最小値)を管理し、ばらつきの変動を監視する
- 3.x̄管理図は群(組)の平均値の変化を管理し、主に分布の中心の変動を監視する
- 4.点が管理限界線の外に出た場合は、異常原因の存在が疑われる
▶正解と解説
正解:1
x̄-R管理図の管理限界線(UCL・LCL)は中心線の上下±3σに相当する位置に設定するのが原則である。±2σではなく±3σとすることで、正常時に管理限界を超える確率を約0.3%に抑える。
例4ある試験で5回の圧縮強度測定値が 30, 32, 34, 36, 38(N/mm²)であった。この標本標準偏差(不偏分散の平方根、n−1で除す)として最も近い値はどれか。
- 1.2.0 N/mm²
- 2.3.2 N/mm²
- 3.2.8 N/mm²
- 4.4.0 N/mm²
▶正解と解説
正解:2
平均値は34。偏差は−4,−2,0,2,4で偏差平方和は16+4+0+4+16=40。不偏分散=40÷(5−1)=10、標準偏差=√10≒3.16 N/mm²となる。
例5レディーミクストコンクリート工場の計量設備において、各材料の計量誤差の許容範囲(1回計量分)として、JIS A 5308で正しいものはどれか。
- 1.水は±3%、混和剤は±1%
- 2.セメントは±3%、骨材は±1%
- 3.セメントは±1%、水は±1%
- 4.骨材は±2%、セメントは±2%
▶正解と解説
正解:3
JIS A 5308の計量誤差の許容差(1回計量分)は、セメント±1%、水±1%、混和剤±3%、骨材±3%、混和材±2%である。セメントと水は最も厳しく±1%に管理される。
例6ヒストグラムに関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- 1.データのばらつきや分布の形状を視覚的に把握できる
- 2.規格値の線を記入することで、規格外れの程度を確認できる
- 3.二山形(ふた山)の分布は、異なる母集団のデータが混在している可能性を示す
- 4.時間的な変化や工程の傾向(トレンド)を時系列で把握するのに最も適している
▶正解と解説
正解:4
ヒストグラムは分布の形状やばらつきを把握する手法であり、時間的順序の情報は失われる。時間的な変化や工程の傾向を把握するには管理図や折れ線グラフ(トレンドグラフ)が適している。
例7工程能力指数 Cp に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.Cp=(規格の幅)÷(6σ)で求められ、値が大きいほど工程能力が高い
- 2.Cp=(6σ)÷(規格の幅)で求められ、値が小さいほど工程能力が高い
- 3.Cpは分布の中心の偏りを直接評価する指標である
- 4.Cp=1.0未満であれば工程能力は十分とされる
▶正解と解説
正解:1
工程能力指数Cp=(USL−LSL)÷(6σ)で計算され、値が大きいほど規格幅に対してばらつきが小さく工程能力が高い。一般にCp≧1.33で十分とされる。中心の偏りを考慮する指標はCpkである。
例8上限規格値が45N/mm²、下限規格値が33N/mm²、標準偏差が2.0N/mm²のとき、工程能力指数Cpの値として正しいものはどれか。
- 1.0.5
- 2.1.0
- 3.1.5
- 4.2.0
▶正解と解説
正解:2
Cp=(USL−LSL)÷(6σ)=(45−33)÷(6×2.0)=12÷12=1.0となる。
例9レディーミクストコンクリートの運搬時間に関する記述として、JIS A 5308で正しいものはどれか。
- 1.練混ぜ開始から荷卸し地点に到着するまでの時間を1.0時間以内とする
- 2.練混ぜ開始から打込み完了までの時間を2.0時間以内とする
- 3.練混ぜ開始から荷卸しまでの時間を1.5時間以内とする
- 4.出荷から到着までの時間を制限していない
▶正解と解説
正解:3
JIS A 5308では、生産者は練混ぜを開始してから荷卸し地点に到着するまでの時間を1.5時間以内とすることを規定している。これは運搬中のスランプ低下や品質変化を防ぐためである。
例10管理図において、点が管理限界内にあっても工程に異常があると判断される「くせ(非ランダムパターン)」として、不適切なものはどれか。
- 1.連続する7点以上が中心線の同じ側に現れる(連)
- 2.点が連続して上昇または下降する傾向(トレンド)を示す
- 3.点が中心線付近に集中せず周期的に変動する
- 4.連続する点が中心線をはさんでランダムに上下に分布している
▶正解と解説
正解:4
点が中心線をはさんでランダムに上下に分布しているのは、工程が安定した正常な状態である。連(同じ側に連続)、傾向(トレンド)、周期性などは工程に異常原因がある可能性を示す非ランダムパターンである。
例11レディーミクストコンクリートの受入れ検査における塩化物含有量の規定として、JIS A 5308で正しいものはどれか(標準的な場合)。
- 1.塩化物イオン量として0.30 kg/m³以下
- 2.塩化物イオン量として0.60 kg/m³以下
- 3.塩化物イオン量として1.20 kg/m³以下
- 4.塩化物イオン量として3.00 kg/m³以下
▶正解と解説
正解:1
JIS A 5308では、塩化物含有量は塩化物イオン量として原則0.30 kg/m³以下と規定されている。購入者の承認を受けた場合は0.60 kg/m³以下とすることができる。鉄筋の腐食を防ぐための重要な管理項目である。
例12標準偏差が一定の条件下で、平均強度を高くすると工程能力(下限規格に対する余裕)はどう変化するか。最も適切なものはどれか。
- 1.平均強度を高くしても、下限規格を下回る確率は変わらない
- 2.平均強度を高くすると、下限規格を下回る確率は小さくなる
- 3.平均強度を高くすると、下限規格を下回る確率は大きくなる
- 4.標準偏差が一定なら確率は平均値と無関係である
▶正解と解説
正解:2
標準偏差(ばらつき)が一定であれば、平均強度を高くするほど下限規格値からの距離(余裕)が大きくなり、下限を下回る不良の確率は小さくなる。ただしセメント量増加などコスト増を伴うため、ばらつき低減との兼ね合いが重要である。
例13コンクリートの圧縮強度試験における「1回の試験結果」の定義として、JIS A 5308で正しいものはどれか。
- 1.任意の1個の供試体の試験値
- 2.3台の運搬車から各1個ずつ採取した供試体の試験値の平均値
- 3.任意の1運搬車から採取した3個の供試体の試験値の平均値
- 4.1日分すべての供試体の試験値の平均値
▶正解と解説
正解:3
JIS A 5308における「1回の試験結果」は、任意の1運搬車から採取した試料で作製した3個の供試体の試験値の平均値である。この1回の試験を3回行ったものの平均で合否を判定する。
例14正規分布に従うコンクリート強度において、平均値±2σの範囲に含まれるデータの割合として、最も近いものはどれか。
- 1.約68.3%
- 2.約99.99%
- 3.約99.7%
- 4.約95.4%
▶正解と解説
正解:4
正規分布では、平均値±1σに約68.3%、±2σに約95.4%、±3σに約99.7%のデータが含まれる。管理図の±3σ限界はこの性質に基づいており、限界外れの確率は約0.3%となる。
例15レディーミクストコンクリートのスランプ8〜18cmにおける受入れ時のスランプの許容差として、JIS A 5308で正しいものはどれか。
- 1.±2.5 cm
- 2.±1.5 cm
- 3.±1.0 cm
- 4.±4.0 cm
▶正解と解説
正解:1
JIS A 5308では、スランプ5cm以上8cm未満は±1.5cm、8cm以上18cm以下は±2.5cm、21cmは±1.5cmと規定されている。最も一般的な8〜18cmの範囲では±2.5cmである。
例16レディーミクストコンクリート工場における配合(調合)管理および製造設備に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- 1.細骨材の表面水率を測定し、その値に応じて計量水量と細骨材量を補正する
- 2.細骨材の表面水率が増加しても、練混ぜ水量を補正する必要はない
- 3.バッチャープラントの計量は、各材料を累積して計量する累加計量方式を用いてもよい
- 4.ミキサの練混ぜ性能は、コンクリート中のモルタル単位容積質量や単位粗骨材量の差で確認する
▶正解と解説
正解:2
細骨材の表面水は練混ぜ水の一部となるため、表面水率が増減すれば単位水量と水セメント比が変動する。表面水率を測定し、その分だけ計量水量を減じ、細骨材計量値を増やす補正が必須である。
例17コンクリート品質管理における「ばらつき」を小さくする対策として、最も不適切なものはどれか。
- 1.骨材の粒度・表面水率の変動を小さく管理する
- 2.計量精度を向上させ、計量誤差を低減する
- 3.標準偏差を見込んで配合強度(調合強度)の割増しを大きくする
- 4.練混ぜ時間を適切に確保し、練混ぜを均一にする
▶正解と解説
正解:3
配合強度の割増しは、ばらつき(標準偏差)を前提に強度の余裕を確保する手段であり、ばらつき自体を小さくする対策ではない。ばらつき低減には骨材変動の管理、計量精度向上、均一な練混ぜなど工程の安定化が有効である。
例18呼び強度の強度値が30N/mm²のコンクリートについて、3回の圧縮強度試験を行い、各回の試験結果(3個の供試体の平均値)が28.0、31.0、32.0N/mm²であった。JIS A 5308の圧縮強度の合格判定として正しいものはどれか。
- 1.各回が25.5N/mm²以上、かつ3回平均が30N/mm²以上を満たすため合格
- 2.1回でも30N/mm²未満があるため不合格
- 3.3回平均が30N/mm²未満のため不合格
- 4.最小値が28N/mm²のため85%判定を満たさず不合格
▶正解と解説
正解:1
JIS A 5308の判定は「1回の試験結果が呼び強度の値の85%以上」かつ「3回の試験結果の平均値が呼び強度の値以上」である。85%は30×0.85=25.5N/mm²で、最小の28.0もこれ以上。3回平均=(28.0+31.0+32.0)÷3=30.33N/mm²で30以上。両条件を満たすため合格である。
例19工程能力指数において、上限・下限規格値の中心に対して工程の平均値がずれている場合に用いる指標Cpkに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.Cpkは平均値の偏りを無視するためCpと常に等しい
- 2.平均値が規格中心からずれるほどCpkはCpより大きくなる
- 3.Cpkは規格幅を6σで除した値であり中心の偏りは関係しない
- 4.Cpkは平均値の偏りを考慮し、偏るほどCpより小さくなる
▶正解と解説
正解:4
Cpkは平均値の偏りを考慮した指標で、Cpk=min{(USL−平均)/3σ,(平均−LSL)/3σ}で求める。平均が規格中心に一致するときCpk=Cpとなり、偏るほどCpkはCpより小さくなる。下限規格のみが問題となる強度管理では(平均−LSL)/3σが用いられる。
例20下限規格値(呼び強度に相当)に対し、強度が正規分布に従い不良率を約5%以下に抑えたい。標準偏差が3.0N/mm²、下限規格値が24N/mm²のとき、必要となる配合(調合)強度として最も近いものはどれか。標準正規分布で下側5%点はおよそ1.64σに相当するものとする。
- 1.約26.0 N/mm²
- 2.約28.9 N/mm²
- 3.約31.0 N/mm²
- 4.約33.8 N/mm²
▶正解と解説
正解:2
不良率5%以下とするには、下限規格値を平均値から少なくとも1.64σ下に位置させる必要がある。よって配合強度=下限規格値+1.64σ=24+1.64×3.0=24+4.92≒28.9N/mm²となる。ばらつき(σ)が大きいほど必要な割増しが増える。
※掲載しているのは、公式資料をもとに当サイトが独自作成した模擬問題です(実際の試験問題の転載ではありません)。採点・間違えた問題の自動記録・復習スケジュールまで使うには、下のボタンから演習モードでどうぞ。