コンクリート主任技士「材料・配合設計」対策

各種セメントの使い分け、混和材料(高炉スラグ微粉末・フライアッシュ・シリカフューム・AE減水剤)の作用、水セメント比/水結合材比、配合強度の設定や単位水量管理など、配合設計の応用知識を扱う分野です。

収録問題数:20問(解説つき)/最終更新:2026年8月

材料・配合設計」で実際に問われること

収録している20問すべてを、本番と同じ四肢択一の形で掲載しています。各問の「正解と解説」を開くと、正解と、解答の根拠になる要点が読めます。

先にこの分野20問を演習モードで解く →

  1. 1コンクリートの配合設計において、水セメント比を55%、単位セメント量を320kg/m³とした場合の単位水量として最も適切なものはどれか。

    1. 1.176kg/m³
    2. 2.158kg/m³
    3. 3.194kg/m³
    4. 4.212kg/m³
    正解と解説

    正解:1

    水セメント比W/C=55%、C=320kg/m³より、W=320×0.55=176kg/m³となる。単位水量は耐久性確保の観点からできるだけ少なくするのが望ましく(一般に185kg/m³程度以下が一つの目安)、176kg/m³はこれを下回る。

  2. 2高炉スラグ微粉末を結合材として用いる場合の特性として、最も不適切なものはどれか。

    1. 1.長期強度の増進が期待できる
    2. 2.初期の中性化抵抗性が普通ポルトランドセメント単独より大幅に向上する
    3. 3.塩化物イオンの浸透抵抗性が向上する
    4. 4.水和熱が低減され温度ひび割れの抑制に有効である
    正解と解説

    正解:2

    高炉スラグ微粉末は潜在水硬性により長期強度増進、低発熱性、塩化物イオン浸透抵抗性向上に寄与する。一方、消費される水酸化カルシウムが減るため中性化抵抗性はむしろ低下傾向にあり、初期養生が不十分だと中性化が進みやすい。

  3. 3フライアッシュをコンクリートに用いる場合のポゾラン反応に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    1. 1.反応は初期材齢で急速に進み長期強度には寄与しない
    2. 2.セメントの水和を待たずに単独で硬化する水硬性を有する
    3. 3.セメントの水和で生じた水酸化カルシウムと反応してC-S-Hを生成する
    4. 4.反応によりエトリンガイトを多量に生成して膨張する
    正解と解説

    正解:3

    フライアッシュはポゾラン反応により、セメント水和で生じた水酸化カルシウム(Ca(OH)₂)と反応してC-S-H(ケイ酸カルシウム水和物)を生成し、長期強度・水密性を向上させる。単独の水硬性はなく、反応は緩やかで長期にわたる。

  4. 4シリカフュームをコンクリートに混和した場合の効果として、最も不適切なものはどれか。

    1. 1.ポゾラン反応により長期強度・水密性が向上する
    2. 2.マイクロフィラー効果により遷移帯が緻密化する
    3. 3.高強度コンクリートの製造に有効である
    4. 4.粉末度が高いため単位水量を増やさずに流動性が向上する
    正解と解説

    正解:4

    シリカフュームは比表面積が15〜25万cm²/g程度と極めて微細で、マイクロフィラー効果とポゾラン反応により高強度・高耐久性に寄与する。ただし比表面積が大きいため単位水量を増加させる傾向があり、高性能AE減水剤の併用が不可欠で、流動性確保には水量増を要する。

  5. 5水結合材比(W/B)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    1. 1.高炉スラグ微粉末やフライアッシュを用いる場合、これらを結合材に含めて算定する
    2. 2.結合材にはセメントのみを含み混和材は含めない
    3. 3.水結合材比は常に水セメント比より大きい値となる
    4. 4.混和材を用いても耐久性照査は水セメント比のみで行う
    正解と解説

    正解:1

    結合材(B)はセメントに加え、高炉スラグ微粉末やフライアッシュなどの反応性混和材を含めた総量を指す。これらを用いる場合、水結合材比W/Bで配合・耐久性を評価する。同一水量なら結合材量が増えるためW/BはW/Cより小さくなる。

  6. 6中庸熱ポルトランドセメントの使用が最も適している用途はどれか。

    1. 1.早期の型枠取外しが必要なプレキャスト製品
    2. 2.マスコンクリートで温度ひび割れを抑制したい場合
    3. 3.冬期の緊急補修で早強性が求められる場合
    4. 4.海水の作用を受けず標準的な一般構造物
    正解と解説

    正解:2

    中庸熱ポルトランドセメントはC₃SとC₃A量を抑え水和熱を低減したセメントで、マスコンクリートの温度ひび割れ抑制やダム・原子力施設等に適する。早強性は低く緊急補修や早期脱型には向かない。

  7. 7配合強度の設定に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    1. 1.配合強度は呼び強度(設計基準強度)と等しく設定する
    2. 2.配合強度は呼び強度より小さく設定して経済性を高める
    3. 3.配合強度は品質のばらつき(標準偏差)を考慮し呼び強度に割増しを加えて設定する
    4. 4.配合強度は気温の影響を受けないため一定とする
    正解と解説

    正解:3

    圧縮強度には製造上のばらつきがあるため、配合強度は呼び強度(または設計基準強度)に対し標準偏差に基づく割増しを加えて設定する。JIS A 5308では所定の確率で呼び強度を下回らないよう配合強度を定める。

  8. 8単位水量を低減することの効果として、最も不適切なものはどれか。

    1. 1.乾燥収縮の低減によるひび割れ抑制
    2. 2.ブリーディングの低減
    3. 3.水和熱の発生を伴う温度上昇の低減
    4. 4.ワーカビリティーの大幅な向上
    正解と解説

    正解:4

    単位水量の低減は乾燥収縮・ブリーディングの低減、耐久性向上に有効である。ただし水量を減らすと流動性は低下するため、ワーカビリティーは向上せずむしろ確保のために高性能AE減水剤等の使用が必要となる。

  9. 9耐硫酸塩ポルトランドセメントの特徴に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    1. 1.C₃A量を少なくしてエトリンガイト生成による膨張を抑制している
    2. 2.塩化物環境専用で硫酸塩環境には使用できない
    3. 3.C₃A量を多くして硫酸塩への抵抗性を高めている
    4. 4.水和熱が普通ポルトランドより高い
    正解と解説

    正解:1

    耐硫酸塩ポルトランドセメントはC₃A(アルミネート相)量を低減することで、硫酸イオンとの反応によるエトリンガイトや二次石膏の生成・膨張を抑制し、硫酸塩劣化に対する抵抗性を高めている。

  10. 10AE剤により導入されるエントレインドエア(連行空気)の効果として、最も不適切なものはどれか。

    1. 1.凍結融解作用に対する抵抗性の向上
    2. 2.空気量増加に伴う圧縮強度の向上
    3. 3.ブリーディングの低減
    4. 4.ワーカビリティーの改善
    正解と解説

    正解:2

    AE剤による微細な独立気泡は凍結融解抵抗性の向上、ワーカビリティー改善、ブリーディング低減に寄与する。一方、空気量が1%増加すると圧縮強度は約4〜6%低下するため、強度は向上せず低下する。

  11. 11粗骨材の最大寸法を大きくした場合の一般的な傾向として、最も適切なものはどれか。

    1. 1.鉄筋のあきに関係なく自由に選定できる
    2. 2.単位水量が増加し乾燥収縮が大きくなる
    3. 3.所要のワーカビリティーを得るための単位水量を低減できる
    4. 4.ブリーディングが減少する
    正解と解説

    正解:3

    粗骨材最大寸法を大きくすると骨材の総表面積が減少し、所要ワーカビリティーを得る単位水量・単位セメント量を低減できるため経済的かつ乾燥収縮抑制に有利。ただし鉄筋のあきや部材最小寸法による制限を受ける。

  12. 12細骨材率(s/a)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    1. 1.細骨材率を大きくするほど単位水量を低減できる
    2. 2.細骨材率はスランプに影響しない
    3. 3.細骨材率は強度に直接比例して設定する
    4. 4.細骨材率が小さすぎると材料分離を生じやすい
    正解と解説

    正解:4

    細骨材率s/aは骨材全体に占める細骨材の容積割合で、小さすぎると粗骨材が多くなり材料分離やジャンカを生じやすい。逆に大きすぎると所要スランプを得る単位水量・単位セメント量が増加する。適切な範囲の設定が重要。

  13. 13アルカリシリカ反応(ASR)の抑制対策として、最も不適切なものはどれか。

    1. 1.単位セメント量を増やしてアルカリ総量を高める
    2. 2.高炉スラグ微粉末やフライアッシュを混合した抑制効果のあるセメントを使用する
    3. 3.区分A(無害)と判定された骨材を使用する
    4. 4.コンクリート中のアルカリ総量を3.0kg/m³以下に抑制する
    正解と解説

    正解:1

    ASR抑制にはアルカリ総量をNa₂O換算で3.0kg/m³以下に規制、混合セメント(高炉B種・フライアッシュB種等)の使用、無害な骨材の使用が有効。単位セメント量を増やすとアルカリ総量が増加しASRを助長するため逆効果である。

  14. 14高流動コンクリートの自己充塡性を確保するための配合上の特徴として、最も適切なものはどれか。

    1. 1.粉体量を少なくし単位水量を多くして流動性を高める
    2. 2.粉体量や増粘剤により材料分離抵抗性を確保しつつ高い流動性を付与する
    3. 3.粗骨材量を増やして骨材のかみ合わせで充塡性を高める
    4. 4.高性能AE減水剤を用いず単位水量のみで流動性を確保する
    正解と解説

    正解:2

    高流動コンクリートは高い流動性と材料分離抵抗性を両立させる必要があり、粉体系・増粘剤系などにより分離抵抗性を確保しつつ、高性能AE減水剤で単位水量を抑えながら流動性を付与する。単位水量増加に頼ると分離が生じる。

  15. 15暑中コンクリート(高温環境下の打込み)で配合上留意すべき事項として、最も不適切なものはどれか。

    1. 1.スランプの低下を見込み運搬・打込み中のワーカビリティー確保に配慮する
    2. 2.コールドジョイントを防ぐため凝結を考慮する
    3. 3.凝結を促進させるため単位水量を大幅に増やす
    4. 4.練上がり温度の上昇による水分蒸発を考慮する
    正解と解説

    正解:3

    暑中コンクリートでは練上がり温度上昇によりスランプ低下・凝結促進・コールドジョイント・水分蒸発が問題となる。これに対しスランプ確保や遅延形混和剤等で対応するが、単位水量の大幅増加は乾燥収縮・強度低下を招くため不適切。

  16. 16単位セメント量の下限値を定める主な目的として、最も適切なものはどれか。

    1. 1.強度を必要以上に高めるため
    2. 2.水和熱を増大させるため
    3. 3.粗骨材量を増やすため
    4. 4.水密性・耐久性やワーカビリティーを確保するため
    正解と解説

    正解:4

    単位セメント量が過少だとペースト量不足によりワーカビリティーが悪化し、水密性・耐久性の確保が困難となる。このため示方書等では用途に応じ単位セメント量の下限値(例:水中コンクリート等)を定めている。過大は水和熱・収縮の点で不利。

  17. 17低熱ポルトランドセメントに関する記述として、最も適切なものはどれか。

    1. 1.ビーライト(C₂S)量を多くして長期強度発現と低発熱を両立させている
    2. 2.早強性に優れ短期間で高強度を発現する
    3. 3.C₃A量を多くして初期強度を高めている
    4. 4.一般的な薄肉部材の早期脱型に最も適している
    正解と解説

    正解:1

    低熱ポルトランドセメントはビーライト(C₂S)量を多く、C₃S・C₃Aを少なくすることで水和熱を抑え、マスコンクリートや高流動・高強度コンクリートに適する。長期強度発現に優れる反面、初期強度の発現は遅く早期脱型には不向き。

  18. 18容積法(絶対容積法)により単位骨材量を求める。単位水量175kg/m³、単位セメント量315kg/m³(セメントの密度3.15g/cm³)、空気量5.0%とするとき、単位骨材(細骨材+粗骨材)の絶対容積として最も近いものはどれか。

    1. 1.650 L
    2. 2.675 L
    3. 3.700 L
    4. 4.725 L
    正解と解説

    正解:2

    1m³(1000L)から水・セメント・空気の絶対容積を差し引いて骨材容積を求める。水=175÷1.00=175L、セメント=315÷3.15=100L、空気=1000×0.05=50L。したがって骨材の絶対容積=1000−(175+100+50)=675Lとなる。

  19. 19骨材の絶対容積が675L/m³、細骨材率(s/a)が44%、粗骨材の表乾密度が2.65g/cm³であるとき、単位粗骨材量として最も近いものはどれか。

    1. 1.約835 kg/m³
    2. 2.約940 kg/m³
    3. 3.約1000 kg/m³
    4. 4.約1190 kg/m³
    正解と解説

    正解:3

    細骨材率s/aは骨材全体の絶対容積に占める細骨材の容積割合なので、粗骨材の絶対容積=675×(1−0.44)=675×0.56=378L。これに表乾密度2.65を乗じて、単位粗骨材量=378×2.65≒1002kg/m³となる。

  20. 20細骨材の表面水率が4.0%、計画上の単位細骨材量(表乾質量)が800kg/m³、単位水量が175kg/m³である。現場計量における表面水補正後の細骨材計量値と計量水量の組合せとして最も適切なものはどれか。

    1. 1.細骨材832 kg、計量水143 kg
    2. 2.細骨材768 kg、計量水207 kg
    3. 3.細骨材800 kg、計量水175 kg
    4. 4.細骨材832 kg、計量水175 kg
    正解と解説

    正解:1

    細骨材が表面水4.0%を含むため、計量する細骨材は800×1.04=832kg/m³とし、表面水分の800×0.04=32kgは練混ぜ水の一部となる。したがって計量水量は175−32=143kg/m³に減じる。表面水補正をしないと水セメント比が増大し品質が低下する。

※掲載しているのは、公式資料をもとに当サイトが独自作成した模擬問題です(実際の試験問題の転載ではありません)。採点・間違えた問題の自動記録・復習スケジュールまで使うには、下のボタンから演習モードでどうぞ。

他の出題分野

← コンクリート主任技士 試験ガイドに戻る