コンクリート主任技士とは?試験概要・合格率・勉強法ガイド
最終更新:2026年7月30日
コンクリート主任技士は、公益社団法人 日本コンクリート工学会(JCI)が認定する上位資格で、コンクリートの製造・施工・管理に関する計画・指導・教育などを行う、高度な知識と応用力を持つ技術者を認定するものです。四肢択一に加えて小論文が課され、合格率はJCIの公表値で2025年度13.2%、直近7年(2019〜2025年度)も12.9〜13.8%という難関です。
試験概要
| 認定団体 | 公益社団法人 日本コンクリート工学会(JCI) |
|---|---|
| 試験形式 | 筆記(四肢択一式+小論文/記述式)・180分(着席13:10) |
| 受験資格 | 2026年9月1日時点で、指定資格の保有(A1〜A8)、実務経験7年以上またはコンクリート技士試験合格後2年以上(B1)、学歴に応じた実務経験4〜5年(B2〜B6)のいずれか |
| 受験料(2026年度) | 会員15,400円/一般16,940円(税込・会員は団体会員を除く) |
| 試験日程(2026年度) | 申込:7/1(水)10:00〜8/25(火)23:59(オンライン申請のみ)/試験:11/29(日)13:30〜16:30(年1回・会場受験) |
| 合格発表(2026年度) | 2027年1月15日(金)予定・マイページで確認(郵送通知なし) |
| 試験地 | 札幌/仙台/東京(南関東)/名古屋/大阪/広島/高松/福岡/沖縄 |
| 合格率 | 2025年度13.2%(受験2,766人・合格366人)/直近7年12.9〜13.8% |
| 資格の有効期間 | 合格した年度の翌年度4月1日から4年間(4年ごとに研修受講のうえ更新) |
| 上位・関連資格 | コンクリート診断士の受験資格要件の一つになる |
※上記はJCI「2026年度コンクリート主任技士試験 受験申込みの手引き」にもとづく2026年度の内容です(2026年7月30日確認)。問題数と合格基準点は公表されていません。申込の締切は8月25日で、よく混同される9月1日は受験資格の判定基準日(実務経験年数などを数える日)です。日程・受験料・受験資格は年度により変わるため、受験前に必ずJCI公式サイトで最新情報をご確認ください。
2026年度の受験申込は8月25日(火)で締め切られました(試験は11月29日(日)・あと41日)(申込はオンライン申請のみで、スマートフォン・タブレットからは申し込めません)。主任技士は実務経験7年以上またはコンクリート技士合格後2年以上が要件で、勤務先の証明に社内決裁が必要になることもあります。必要書類と支払い方法ごとの注意点はコンクリート技士・主任技士の申込方法【2026年度】にまとめています。
合格率・難易度(直近7年の実績)
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2025年度 | 2,766人 | 366人 | 13.2% |
| 2024年度 | 2,872人 | 388人 | 13.5% |
| 2023年度 | 2,944人 | 384人 | 13.0% |
| 2022年度 | 2,946人 | 402人 | 13.7% |
| 2021年度 | 3,018人 | 415人 | 13.8% |
| 2020年度 | 2,612人 | 358人 | 13.7% |
| 2019年度 | 3,159人 | 406人 | 12.9% |
※出典:JCI「コンクリート技士・主任技士試験 試験結果の概況」(各年度の全国計・2026年7月27日確認)。直近7年はいずれも12.9〜13.8%で、年度による振れ幅はごく小さい試験です。同日実施のコンクリート技士が同期間29.5〜31.9%なので、主任技士はその半分以下の合格率になります。
この合格率は、分母を「申込者」に変えると10.2%まで下がります(申込者の約4分の1が試験当日に来ていないため)。7年分の実データで欠席率・申込者ベースの合格率・地区別の差まで分解した内容はコンクリート主任技士の難易度は?合格率13.2%の中身をJCIの実データで分解にまとめています。
出題分野(6分野)
合格のための勉強法
- 択一は技士の知識を「応用」まで深める:配合計算・水結合材比、混和材料の作用、耐久性(中性化・塩害・ASR・凍害)の機構を、理由まで説明できるレベルに引き上げます。
- 統計的品質管理・構造設計を得点源に:標準偏差・変動係数・工程能力指数・管理図、限界状態設計法やかぶり・定着など、技士より踏み込んだ論点が頻出です。
- 小論文は型と引き出しを準備:頻出テーマ(耐久性確保・施工管理・環境配慮・維持管理)について、課題→原因→対策→留意点の流れで論述できるよう、自分の経験と結び付けて準備します。
- 四肢択一を数多く解く:本サイトの模擬問題(6分野120問)で頻出論点と計算問題に慣れ、取りこぼしを減らします。
過去問はどこで手に入るか
最初に押さえておきたいのが、JCIは試験問題そのものを公開していないという点です。JCIの受験案内ページには「試験終了の約2か月後に、このページに合格者の受験番号および択一式問題正解肢を掲載します。掲載期間は約1ヶ月となります。」とあります。掲載されるのは正解肢(正解の番号)だけで、問題文は載りません。小論文の課題文にいたっては、正解肢のような形ですら公開されません。しかも約1か月で取り下げられ、過去年度のアーカイブもありません。つまり「JCIの公式サイトで過去問を集める」ことはできません。
実際の過去問と小論文の記述例に当たりたい場合は、市販の問題集を買うのが現実的です。2026年7月時点で、次の書籍が刊行されています(いずれも出版社サイトで確認)。
- 『コンクリート主任技士試験問題と解説 2026年版』(技報堂出版/大即信明・桝田佳寛 編/2026年6月・A5判398頁/3,850円/ISBN 978-4-7655-1905-2)。過去10年間の全問題と解答を収録し、直近5年分は分野別に分類。小論文対策として模範記述例も掲載されています。毎年6〜7月に改訂版が出ます。
- 『コンクリート主任技士 2026年版』(建築資料研究社/長瀧重義 監修・篠田佳男・河野一徳 著/2026年3月・B5判250頁/4,400円/ISBN 978-4-8683-4047-8)。四択問題は過去10年間の全問を掲載・解説し、記述式問題は過去13年分を解説する構成です。
※当サイトが本物の過去問を掲載していないのは、JCI「受験申込みの手引き」p.20に「試験問題の無断転載・複製・譲渡は禁止です」と明記されているためです。代わりに、独自作成の模擬問題120問+解説を無料で公開しています。ただし当サイトの模擬問題は四肢択一のみで、小論文の練習は代替できません。択一の実力チェックにお使いください。
試験当日の持ち物と注意事項
コンクリート主任技士は受験票が郵送されません。マイページからダウンロードして紙に印刷したものを持参する必要があり、スマートフォンの画面表示では受験できません。机の上に置けるものも「記載がない物は使用不可」と決められています。当日その場ではどうにもならない決まりが多いので、先に確認しておきましょう。
主任技士は四肢択一式に加えて記述式(小論文)が出題されますが、机上に置ける筆記用具は黒鉛筆・シャープペンシル(HB・B)とプラスチック消しゴムだけで、小論文もこれで書きます。ボールペンは使用できません。
試験時間中に机上に置けるもの(記載がない物は使用不可)
- 受験票(紙に印刷したもの):試験日の3週間前からマイページに表示されます。印刷はモノクロ・カラーどちらでも構いません。スマートフォン等の画面表示は受験票と認められず、受験できません。試験中は必ず机上に置き、受験票への書き込みはしないでください。
- 筆記用具(貸与は一切ありません):黒鉛筆(HB・B)、シャープペンシル(HB・B)、プラスチック消しゴム。ボールペンやマジックは使用不可です。
- 腕時計(腕につけたままでも可)および電卓:いずれも下の条件を満たすものに限られます。
- その他:マスク、目薬、眼鏡、ペットボトル、ティッシュペーパー。眼鏡ケースはカバンに収納し、ペットボトルのラベルシールははがし、ティッシュペーパーは袋または箱から中身だけを取り出してください。
電卓は「6つの条件をすべて満たすもの」だけ(関数電卓は不可)
- 通信機器類でないこと(携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、スマートウォッチおよびスマートグラスなどのウェアラブル端末を、腕時計および電卓として使用することはできません)
- 四則演算程度の簡単な計算機能のみを有すること(関数電卓は使用できません)
- 計算式や文字の記憶や、表示の機能が無いこと(プログラム機能付きの電卓、ポケットコンピュータ、電子手帳は使用できません)
- 辞書機能が無いこと(電子辞書は使用できません)
- 電子音やプリンター音などの作動音を発しないこと(メロディー機能や印刷機能を持つ電卓は使用できません)
- 電池内蔵型(太陽電池式も含む)であること
※手引きには「使用できない電卓(関数電卓)」「使用できる電卓(四則演算程度の計算機能を有する電卓)」の図も掲載されています。手持ちの電卓が6条件を満たすかは試験前にご自身で確認してください。判断に迷う場合は、マイページに表示される受験票の注意事項とJCI公式の受験案内で確認するのが確実です。
時刻のルール——着席・遅刻・退室
- 着席時刻は13:10(この時刻から試験の説明が始まります)。試験時間は13:30〜16:30(180分)です。
- 試験開始20分前までに着席してください。試験室の入室時刻は会場ごとに指定されており、指定された時刻より早く来場しても入室できません(会場案内図で確認を)。
- 公共交通機関の運行停止・遅延であっても、試験開始後30分を過ぎると入室できず受験できません。この場合の再受験は実施されません。
- 退室できるのは14:30〜16:15の間だけです(試験開始後1時間までと試験終了前15分間は退室できません)。一度退室すると再入室はできません。
- 試験を欠席した場合・中途退室した場合でも、試験問題の発送はありません。
会場・電子機器・本人確認・服装
- 会場へは公共交通機関で。車・バイク・自転車での来場および送迎は禁止で、周辺の商業施設や路上への駐車も禁止です。管理者や地域住民から連絡があった場合は試験時間中でも車の移動が必要になり、その場合は失格となります。
- 携帯電話・スマートフォン・スマートウォッチ・スマートグラスなどは、使用も机上に置くことも禁止です。時計の代わりに使うこともできません。電源を切ってカバンの中にしまってください。
- 耳栓は使用できません(監督員からの注意事項が聞こえなくなるため)。イヤホンを装着していた場合は不正行為とみなされます。
- 写真照合による本人確認はマスクを外した状態で行われます。帽子類(フードを含む)の着用は認められません。
- 試験室内は座席位置ごとに温熱環境が異なるため、体感温度を自分で調整できる服装で行ってください。
- 試験会場・試験室内は撮影禁止、試験問題の無断転載・複製・譲渡も禁止です。会場への直接の問い合わせや、下見のための建物への立ち入りも行わないでください。
※このセクションはすべてJCI「2026年度コンクリート主任技士試験 受験申込みの手引き」(p.16・p.19〜p.21)の記載にもとづいています(2026年9月2日確認)。当日のルールは年度によって変わる可能性があります。受験する年度の手引きと、マイページに表示される受験票・会場案内図で必ず最終確認してください。
よくある質問
コンクリート主任技士の試験はどんな形式ですか?
公益社団法人 日本コンクリート工学会(JCI)が認定する筆記試験で、四肢択一式(マークシート)に加えて小論文(記述式)が課されるのが特徴です。択一で基礎・応用知識を、小論文でコンクリート技術に関する課題への論述力を問われます。年1回・会場受験で、2026年度は11月29日(日)13:30〜16:30の180分(着席時刻13:10)です。合格には四肢択一式・記述式のそれぞれで基準点を超える必要があります(受験申込みの手引きp.17)。
コンクリート技士とどう違いますか?
コンクリート技士が製造・施工・試験など日常の技術的業務を担う技術者を認定するのに対し、主任技士はその上位資格で、計画・指導・管理を行う高度な技術者を認定します。2026年度は同じ11月29日(日)13:30開始ですが、技士が120分・四肢択一のみなのに対し、主任技士は180分で小論文が加わります。受験料も技士の会員13,200円/一般14,740円に対し、主任技士は会員15,400円/一般16,940円です。合格率もJCI公表値で2025年度は技士31.5%・主任技士13.2%と、半分以下の水準になります。
2026年度の申込締切はいつですか?9月1日という情報も見かけます。
2026年度の受験申込受付期間は、2026年7月1日(水)10:00〜8月25日(火)23:59です(受験申込みの手引きp.1・p.16)。締切は8月25日で、9月1日ではありません。9月1日は「受験資格の判定基準日」で、手引きp.9に「コンクリート主任技士試験を受験できるのは、2026年9月1日時点で下記表-1のA1〜A8または、B1〜B6のいずれかの該当者です」と書かれています。実務経験年数などを数えるときの基準日が9月1日、申込の締切が8月25日、と区別してください。なお技士・主任技士とも申込期間・試験日は同一です。
合格率・難易度はどのくらいですか?
JCIの公表値(全国計)では、2025年度が受験2,766人・合格366人(13.2%)、2024年度が受験2,872人・合格388人(13.5%)でした。直近7年(2019〜2025年度)はいずれも12.9〜13.8%に収まっており、年度による振れ幅の小さい試験です。同じ日に実施されるコンクリート技士が2025年度31.5%(直近7年29.5〜31.9%)なので、主任技士はその半分以下の合格率ということになります。択一だけでなく小論文の対策も必要です。2026年度以降の数値はJCI公式の「試験結果の概況」でご確認ください。
受験資格はありますか?
2026年9月1日時点で、次のいずれかに該当する必要があります(受験申込みの手引きp.9 表-1)。A1〜A7:コンクリート診断士・一級建築士・技術士(建設部門/農業部門の農業土木または農業農村工学)・土木学会認定土木技術者(特別上級・上級・1級)・建設コンサルタンツ協会認定RCCM(鋼構造及びコンクリート)・プレストレストコンクリート工学会認定コンクリート構造診断士のいずれかを登録していること(実務経験不要)。A8:1級土木施工管理技士または1級建築施工管理技士で監理技術者資格者証を有すること。B1:コンクリートの技術関係業務の実務経験7年以上、またはコンクリート技士試験合格後2年以上(学歴・年齢は不問)。B2〜B5:大学・高等専門学校(専攻科)・短期大学・高等専門学校でコンクリート技術に関する科目を履修した卒業者で実務経験4年以上。B6:高等学校卒業で実務経験5年以上。手引きには「資格または学歴(昨年と変更ありません)」と記載されています。要件は変更されることがあるため、受験前に必ずJCI公式の手引きで確認してください。
受験料はいくらですか?
2026年度は会員15,400円(税抜14,000円)、一般16,940円(税抜15,400円)です(受験申込みの手引きp.16)。会員価格の対象は2026年6月1日現在でJCIの会員である方(団体会員を除く)で、資格の登録者という意味ではありません。支払いはクレジットカード・コンビニ・ペイジーから選べます。申込み後の返金は理由を問わず一切ありません。なお合格後、資格を名乗るには別途、新規登録料(会員6,600円/非会員7,700円)が必要です。
試験当日の持ち物は何が必要ですか?小論文はボールペンで書くのですか?
試験時間中に机上に置けるのは、①紙に印刷した受験票(スマートフォンの画面表示では受験できません)、②筆記用具、③条件を満たす腕時計と電卓、④マスク・目薬・眼鏡・ペットボトル・ティッシュペーパーだけで、手引きには「記載がない物は使用不可」と明記されています。筆記用具として認められているのは黒鉛筆・シャープペンシル(HBまたはB)とプラスチック消しゴムのみで、ボールペンやマジックは使用不可です。小論文(記述式)もこの筆記用具で書くことになります。貸与は一切ないため、予備を含めて自分で用意してください。
電卓は持ち込めますか?関数電卓は使えますか?
電卓は持ち込めますが、次の6つの条件をすべて満たすものに限られます。①通信機器類でないこと(スマートフォンやスマートウォッチを電卓・腕時計として使うことはできません)、②四則演算程度の簡単な計算機能のみを有すること(関数電卓は使用できません)、③計算式や文字の記憶・表示の機能が無いこと(プログラム機能付き電卓・ポケットコンピュータ・電子手帳は不可)、④辞書機能が無いこと(電子辞書は不可)、⑤電子音やプリンター音などの作動音を発しないこと、⑥電池内蔵型(太陽電池式を含む)であること。手持ちの電卓が条件を満たすかは試験前にご自身で確認し、判断に迷う場合は受験票の注意事項とJCI公式の受験案内でご確認ください。
遅刻したら受験できますか?途中で退室できますか?
着席時刻は13:10で、試験開始20分前までに着席する必要があります。公共交通機関の運行停止・遅延であっても、試験開始後30分を過ぎると入室できず受験できません(再受験の実施もありません)。退室できるのは14:30〜16:15の間だけで、試験開始後1時間までと試験終了前15分間は退室できません。一度退室すると再入室はできません。
過去問はどこで入手できますか?
JCIは試験問題そのものを公開していません。公式サイトに掲載されるのは合格者の受験番号と択一式問題の正解肢だけで、掲載期間も約1か月です。実際の過去問を解くには市販の問題集を買うことになります(技報堂出版『コンクリート主任技士試験問題と解説 2026年版』2026年6月・A5判398頁・3,850円・ISBN 978-4-7655-1905-2 は、過去10年間の全問題と解答に加えて小論文の模範記述例も収録)。当サイトは本物の過去問を掲載していませんが(JCIの受験申込みの手引きp.20に「試験問題の無断転載・複製・譲渡は禁止です」と明記されているため)、コンクリート工学(材料・配合・耐久性・統計的品質管理・構造設計・各種コンクリート)の標準知識をもとに独自作成した四肢択一の模擬問題(全6分野120問)+解説を無料で公開しており、択一対策に使えます。小論文は別途、論述練習が必要です。