コンクリート技士「配合設計」対策
配合強度の設定、水セメント比と強度の関係、細骨材率・単位水量・空気量、示方配合と現場配合の補正・絶対容積法による配合計算を扱う分野です。
収録問題数:42問(解説つき)/最終更新:2026年8月
「配合設計」で実際に問われること
収録している42問から20問を、本番と同じ四肢択一の形で抜粋しました。各問の「正解と解説」を開くと、正解と、解答の根拠になる要点が読めます。
例1配合設計における配合強度の設定に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.配合強度は設計基準強度に等しく定める
- 2.配合強度は品質のばらつきを考慮し、設計基準強度に割増しをして定める
- 3.配合強度は設計基準強度より小さく定めてよい
- 4.配合強度はスランプの大小のみで決まる
▶正解と解説
正解:2
配合強度はコンクリート強度のばらつきを考慮し、設計基準強度(または耐久性などから定まる所要強度)に割増しを加えて設定する。割増しの大きさは変動係数や試験回数に応じて決める。ばらつきが大きいほど割増しは大きくなる。
例2圧縮強度の変動係数が大きい場合、配合強度の割増しはどうなるか。最も適切なものはどれか。
- 1.変動係数に関係なく一定である
- 2.変動係数が大きいほど割増しは小さくなる
- 3.変動係数が大きいほど割増しは大きくなる
- 4.変動係数が大きいほど配合強度は不要になる
▶正解と解説
正解:3
変動係数はばらつきの大きさを表し、これが大きいほど低強度側に外れる確率が高まる。所定の不良率を満たすには、より大きな割増しが必要となる。したがって変動係数が大きいほど配合強度の割増しは大きくなる。
例3水セメント比と圧縮強度の関係に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.水セメント比が大きいほど圧縮強度は大きい
- 2.水セメント比が小さいほど圧縮強度は大きい
- 3.圧縮強度は水セメント比に無関係である
- 4.圧縮強度はセメント水比に反比例する
▶正解と解説
正解:2
一般に圧縮強度はセメント水比(C/W)にほぼ比例し、水セメント比(W/C)が小さいほど強度は大きくなる。配合設計では所要の配合強度を満たす水セメント比を強度の関係式から定める。空気量が一定であることが前提となる。
例4配合設計で単位水量を小さくすることの効果として、最も不適切なものはどれか。
- 1.乾燥収縮が小さくなる
- 2.ブリーディングが減少する
- 3.所要のスランプが得にくくなる場合がある
- 4.水密性が低下する
▶正解と解説
正解:4
単位水量を小さくすると乾燥収縮やブリーディングが減り、水密性や耐久性は向上する。一方、ワーカビリティーが低下しやすく所要のスランプが得にくくなる場合がある。したがって水密性が低下するは不適切である。
例5粗骨材の最大寸法を大きくした場合の一般的な影響として、最も適切なものはどれか。
- 1.所要のワーカビリティーを得るための単位水量は増加する
- 2.所要のワーカビリティーを得るための単位水量は減少する
- 3.単位水量に影響しない
- 4.必ず空気量が増加する
▶正解と解説
正解:2
粗骨材の最大寸法を大きくすると骨材の総表面積が減るため、同一スランプを得るのに必要な単位水量を低減でき、単位セメント量も少なくできる。ただし鉄筋間隔やかぶりにより使用できる最大寸法には制限がある。
例6細骨材率(s/a)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.全骨材の質量に対する細骨材質量の百分率である
- 2.全骨材の絶対容積に対する細骨材絶対容積の百分率である
- 3.細骨材の絶対容積に対する粗骨材絶対容積の百分率である
- 4.セメントに対する細骨材の質量比である
▶正解と解説
正解:2
細骨材率s/aは、骨材全体の絶対容積に対する細骨材の絶対容積の百分率で表す。質量比ではなく絶対容積比である点に注意する。s/aを過大にすると単位水量が増え、過小にすると分離しやすくなる。
例7細骨材率(s/a)を小さくしすぎた場合に生じやすい現象として、最も適切なものはどれか。
- 1.材料分離を生じやすくなる
- 2.単位水量が増大する
- 3.乾燥収縮が増大する
- 4.空気量が著しく増加する
▶正解と解説
正解:1
細骨材率を小さくしすぎると、粗骨材を包むモルタル分が不足し、材料分離やじゃんかを生じやすくなる。逆に大きすぎると同一スランプに必要な単位水量・単位セメント量が増える。適切なs/aを選ぶことが重要である。
例8単位セメント量を過大にした場合の影響として、最も不適切なものはどれか。
- 1.水和熱による温度上昇が大きくなる
- 2.乾燥収縮ひび割れのおそれが増す
- 3.所要の耐久性確保のため下限が定められることと矛盾する
- 4.コストが増加する
▶正解と解説
正解:3
単位セメント量が過大になると水和熱や乾燥収縮が増え、ひび割れやコストの面で不利になる。一方で耐久性・水密性の観点からは最小(下限)単位セメント量が定められる。下限の規定とは矛盾しないため、矛盾するとする記述が不適切である。
例9AEコンクリートにおいて空気量を適切に確保する主な目的として、最も適切なものはどれか。
- 1.圧縮強度を増加させるため
- 2.凍結融解作用に対する抵抗性を高めるため
- 3.単位セメント量を増やすため
- 4.乾燥収縮を増大させるため
▶正解と解説
正解:2
連行空気(エントレインドエア)はワーカビリティーの改善と、凍結融解作用に対する抵抗性の向上に有効である。空気量が増えると強度は低下する傾向があるため、必要な空気量を適切な範囲に管理する。一般に普通コンクリートで4.5%程度を目標とする。
例10普通コンクリートのAEコンクリートで一般的に目標とする空気量として、最も適切なものはどれか。
- 1.約1.5%
- 2.約4.5%
- 3.約8%
- 4.約12%
▶正解と解説
正解:2
AEコンクリートの空気量は一般に4.5%程度を標準とすることが多く、おおむね4〜5%の範囲で設定される。空気量が過大になると強度低下が大きくなり、過小では凍結融解抵抗性が不足する。粗骨材最大寸法等により適正値は調整される。
例11示方配合と現場配合の関係に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.示方配合は骨材の表面水率や吸水率を考慮済みの配合である
- 2.現場配合は骨材の表面水・吸水および粒度を補正した配合である
- 3.現場配合では補正は不要である
- 4.示方配合は現場の骨材状態に合わせて毎回測定して定める
▶正解と解説
正解:2
示方配合は骨材が表面乾燥飽水状態(表乾状態)であることを前提とした配合である。現場配合は、実際の骨材がもつ表面水や乾燥による吸水、粒度の違いを補正して、計量する量に直したものである。表面水分の補正計算が必要となる。
例12示方配合で単位水量175kg/m3、単位細骨材量800kg/m3である。細骨材の表面水率が4%のとき、現場配合における計量上の単位細骨材量と補正後の単位水量の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
- 1.細骨材832kg、水143kg
- 2.細骨材832kg、水207kg
- 3.細骨材768kg、水143kg
- 4.細骨材800kg、水175kg
▶正解と解説
正解:1
細骨材の表面水は800×0.04=32kgで、計量する細骨材量は800+32=832kgとなる。この表面水分32kgは練混ぜ水に含まれるため、加える水は175−32=143kgに減らす。粗骨材の表面水がない場合の計算である。
例13骨材の含水状態に関する用語の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
- 1.示方配合の基準は絶対乾燥状態である
- 2.示方配合の基準は表面乾燥飽水状態である
- 3.表面水率は吸水量を含む全水分の割合である
- 4.吸水率は表面に付着した水の割合である
▶正解と解説
正解:2
示方配合は骨材が表面乾燥飽水(表乾)状態であることを基準とする。吸水率は絶乾から表乾までに吸収する水量の乾燥質量に対する割合で、表面水率は表乾を超えて表面に付着している水分の割合である。両者を混同しないことが重要である。
例14絶対容積法による配合計算において、各材料の単位容積を求める式として、最も適切なものはどれか。
- 1.単位容積=単位質量×密度
- 2.単位容積=単位質量÷密度
- 3.単位容積=密度÷単位質量
- 4.単位容積=単位質量×空気量
▶正解と解説
正解:2
絶対容積法では各材料の絶対容積を単位質量÷密度で求め、水・セメント・細骨材・粗骨材・空気の容積合計が1m3(1000L)になるように配合を決める。骨材量はこの容積バランスから逆算される。
例15水175kg、セメント300kg、空気量5%のコンクリート1m3における、細骨材と粗骨材の絶対容積の合計として、最も適切なものはどれか。ただし水の密度1.0g/cm3、セメントの密度3.15g/cm3とする。
- 1.約580L
- 2.約630L
- 3.約680L
- 4.約730L
▶正解と解説
正解:3
水の容積は175L、セメントの容積は300÷3.15≒95.2L、空気は1000×0.05=50L。骨材の絶対容積合計は1000−(175+95.2+50)≒679.8Lで、約680Lとなる。空気量を容積として差し引くことを忘れないのがポイントである。
例16耐久性や水密性の観点から定められる配合上の制限として、最も適切なものはどれか。
- 1.最大単位セメント量と最小水セメント比が定められる
- 2.最小単位セメント量と最大水セメント比が定められる
- 3.スランプの上限のみが定められる
- 4.空気量の下限のみが定められる
▶正解と解説
正解:2
耐久性・水密性を確保するため、最小単位セメント量(下限)と最大水セメント比(上限)が定められるのが一般的である。水セメント比が大きすぎたりセメント量が少なすぎると、緻密性が不足し劣化因子の侵入を許す。強度のみで配合を決めてはならない。
例17高炉スラグ微粉末やフライアッシュをセメントの一部に置換して用いる場合の効果として、最も不適切なものはどれか。
- 1.水和熱を低減できる場合がある
- 2.長期強度の増進が期待できる場合がある
- 3.ワーカビリティーが改善される場合がある
- 4.初期強度が必ず増大する
▶正解と解説
正解:4
混和材を置換すると水和熱の低減や長期強度の増進、ワーカビリティー改善などの効果が期待できる。一方で初期(材齢初期)の強度発現は遅くなる傾向があり、必ず増大するとはいえない。置換率や養生条件に応じて設計する必要がある。
例18水セメント比55%、単位水量165kg/m3として配合するとき、単位セメント量として最も適切なものはどれか。
- 1.約270kg/m3
- 2.約300kg/m3
- 3.約330kg/m3
- 4.約360kg/m3
▶正解と解説
正解:2
水セメント比W/C=0.55、単位水量W=165kg/m3より、単位セメント量C=W÷(W/C)=165÷0.55=300kg/m3となる。水セメント比は質量比であり、所要の単位水量を確保したうえでセメント量を算定する。
例19混和材を用いる場合の水結合材比(水セメント比に代わる指標)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.水結合材比は、水の質量をセメントと結合材として働く混和材の合計質量で除した比である
- 2.水結合材比は、水の質量をセメント質量のみで除した比であり混和材は無関係である
- 3.水結合材比は、結合材の質量を水の質量で除した比である
- 4.水結合材比は質量比ではなく、絶対容積の比で表す
▶正解と解説
正解:1
フライアッシュや高炉スラグ微粉末など結合材として働く混和材を用いる場合、水とセメントの比ではなく、水と結合材(セメント+混和材)の質量比である水結合材比W/Bで強度や耐久性を管理する。結合材量を分母にとるため、同じ水量でも混和材を加えるとW/Bは小さくなる。
例20コンクリートの中性化(炭酸化)に対する耐久性と配合の関係に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- 1.中性化が鉄筋位置まで進行すると、鋼材の不動態皮膜が失われ腐食が始まる
- 2.かぶりを大きくすることは、中性化による鉄筋腐食までの期間を延ばすうえで有効である
- 3.水セメント比が大きいほど、コンクリートの中性化は遅く進行する
- 4.水セメント比を小さくし組織を緻密にすると、中性化の進行は遅くなる
▶正解と解説
正解:3
中性化速度は組織の緻密さに支配され、水セメント比が大きいほど組織が粗くなり中性化は速く進行する。よって水セメント比が大きいほど中性化が遅いとする記述は誤り。中性化が鉄筋位置に達すると不動態皮膜が失われ腐食が始まるため、かぶりを大きくし水セメント比を小さくして抑制する。
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