コンクリート技士「施工」対策
運搬・打込み・締固め・打継ぎ・養生、型枠と支保工、鉄筋工、暑中・寒中の施工、コールドジョイントや豆板などの欠陥を扱う分野です。
収録問題数:42問(解説つき)/最終更新:2026年8月
「施工」で実際に問われること
収録している42問から20問を、本番と同じ四肢択一の形で抜粋しました。各問の「正解と解説」を開くと、正解と、解答の根拠になる要点が読めます。
例1コンクリートポンプによる圧送に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1.輸送管の管径が大きいほど、圧送負荷は小さくなる傾向がある
- 2.スランプの小さい硬練りコンクリートほど圧送性は良好である
- 3.圧送に先立ち、輸送管内を富配合の先送りモルタルで潤滑させる
- 4.ベント管や輸送管の急な曲がりは閉塞の原因となりやすい
▶正解と解説
正解:2
圧送性はスランプが小さい硬練りほど低下し、圧送負荷が増大して閉塞しやすくなる。よって硬練りほど圧送性が良好は不適切である。管径が大きいほど圧送負荷は小さく、先送りモルタルで管内を潤滑させ、急な曲がりは閉塞要因となる。
例2コンクリートの打込みに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.コンクリートは型枠内で横移動させて充填するのが原則である
- 2.打込みの自由落下高さは材料分離を防ぐため大きくとる
- 3.1層の打込み高さは締固め能力を考慮して40〜50cm以下を目安とする
- 4.上層と下層の打重ね時間間隔は長いほどよい
▶正解と解説
正解:3
1層の打込み高さは内部振動機の締固め能力を考慮し40〜50cm以下が目安とされる。コンクリートの横移動は分離を招くため避け、自由落下高さは小さくし、打重ね時間間隔は短くしてコールドジョイントを防ぐ。
例3内部振動機(棒状バイブレータ)による締固めに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1.挿入間隔は一般に50cm以下とする
- 2.下層に10cm程度挿入し打重ね部を一体化させる
- 3.1箇所あたりの振動時間は5〜15秒程度を標準とする
- 4.引抜きは穴が残らぬよう速やかに一気に引き抜く
▶正解と解説
正解:4
内部振動機は穴が残らないようゆっくり引き抜くのが正しく、一気の引抜きは空隙を残すため不適切である。挿入間隔は50cm以下、下層に10cm程度挿入して一体化させ、振動時間は5〜15秒程度が標準とされる。
例4打継ぎに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.水平打継目はせん断力の大きい位置に設けるのが望ましい
- 2.打継面のレイタンスや脆弱部はそのまま残して新コンクリートを打つ
- 3.鉛直打継目は型枠を強固にし旧コンクリート表面を処理し密着させる
- 4.打継面は乾燥させてから新コンクリートを打ち込む
▶正解と解説
正解:3
鉛直打継目では型枠を堅固にし、旧コンクリート表面のレイタンスを除去し吸水させたうえで密着させる。打継位置はせん断力の小さい所を選び、レイタンスや脆弱部は除去し、打継面は湿潤状態とするのが正しい。
例5湿潤養生に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1.普通ポルトランドセメントの標準的な湿潤養生期間は5日程度である
- 2.早強ポルトランドセメントは普通より養生期間を長くとる必要がある
- 3.混合セメントB種は普通より長い養生期間を要する
- 4.養生温度が低いほど所要強度発現までの期間は長くなる
▶正解と解説
正解:2
早強ポルトランドセメントは強度発現が早く、湿潤養生期間は普通より短くてよいため長くとるは不適切である。普通は5日程度、混合セメントB種は7日程度と長く、低温ほど強度発現が遅れ期間が延びる。
例6型枠・支保工の側圧および存置に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.打込み速度が速いほど型枠に作用する側圧は小さくなる
- 2.コンクリート温度が高いほど側圧は大きくなる
- 3.せき板の取外し時期は圧縮強度や材齢を基準に判断する
- 4.スラブ下の支保工はせき板と同時に取り外してよい
▶正解と解説
正解:3
せき板の取外しは必要圧縮強度の達成や材齢を基準に判断する。打込み速度が速いほど、また温度が低いほど側圧は大きくなり、スラブや梁下の支保工は所要強度確認まで存置し、せき板と同時には外せない。
例7鉄筋工に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1.鉄筋のあきは粗骨材最大寸法の1.25倍以上を確保する
- 2.スペーサは所要のかぶりを確保するために用いる
- 3.重ね継手は応力の大きい断面に集中して設けるのがよい
- 4.鉄筋の加工は常温加工を原則とする
▶正解と解説
正解:3
重ね継手は同一断面に集中させず、応力の小さい位置に分散させて設けるのが原則であり応力の大きい断面に集中は不適切である。あきは粗骨材最大寸法の1.25倍以上、スペーサでかぶりを確保し、加工は常温加工が原則である。
例8寒中コンクリートの施工に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.練上がり温度は低く保ち凍結を遅らせるのがよい
- 2.初期凍害を防ぐため所要強度を得るまで保温・給熱養生を行う
- 3.材料の加熱はセメントを直接加熱して行うのが効果的である
- 4.養生終了後は急激に外気にさらして乾燥を促進させる
▶正解と解説
正解:2
寒中では初期凍害防止のため、所要の圧縮強度が得られるまで保温養生や給熱養生を行う。練上がり温度は適切に高め、加熱は練混ぜ水や骨材で行いセメントは直接加熱せず、養生後の急冷は温度ひび割れを招くため避ける。
例9暑中コンクリートの施工に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1.練上がり温度はできるだけ低く保つよう材料温度を管理する
- 2.練混ぜから打込み終了までの時間を長く確保する
- 3.コールドジョイントを防ぐため打重ね時間間隔を短くする
- 4.打込み前に型枠や鉄筋への散水で温度上昇を抑える
▶正解と解説
正解:2
暑中ではスランプ低下や急速な凝結が生じやすく、練混ぜから打込み終了までの時間はできるだけ短くするのが正しく長く確保は不適切である。練上がり温度を低く保ち、打重ね間隔を短くし、型枠等への散水で温度上昇を抑える。
例10コールドジョイントに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.先に打ち込んだ層が固まる前に次層を打つと発生する
- 2.上下層が一体化せず不連続な打継目状の弱点となる
- 3.発生を防ぐには打重ね時間間隔を長くとるのがよい
- 4.気温が低いほど発生しやすくなる
▶正解と解説
正解:2
コールドジョイントは先打ち層が固まった後に次層を打つことで上下層が一体化せず生じる不連続面である。防止には打重ね時間間隔を短くし、気温が高いほど凝結が早く発生しやすいため暑中で特に注意が必要である。
例11豆板(ジャンカ)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1.締固め不足や材料分離により粗骨材が露出した状態である
- 2.モルタル分が不足し空隙の多い不良部となる
- 3.かぶり部に生じると鉄筋腐食の一因となる
- 4.ワーカビリティーの過大やブリーディングの過多が主因である
▶正解と解説
正解:4
豆板は締固め不足や材料分離でモルタルが充填されず粗骨材が露出する欠陥で、ワーカビリティー過大やブリーディング過多が主因ではない。空隙が多くかぶり部に生じると鉄筋腐食の原因となる。
例12コンクリートの運搬に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.バケットによる運搬は材料分離を生じやすく避けるべきである
- 2.シュートは縦シュートを用いるのを標準とする
- 3.トラックアジテータでの運搬は練混ぜから打込みまでの時間管理が不要である
- 4.運搬中はスランプ低下や分離をできるだけ抑える
▶正解と解説
正解:4
運搬中はスランプ低下や材料分離を抑えるよう管理する。バケット運搬は分離が少なく適し、シュートは斜めより縦シュートを標準とし、トラックアジテータでも練混ぜから打込みまでの時間制限は守る必要がある。
例13膜養生(膜養生剤)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1.表面の水光りが消えた直後に均一に散布する
- 2.コンクリート表面からの水分逸散を抑える効果がある
- 3.打継面に散布する場合は付着への影響に注意する
- 4.散布量が少ないほど確実に被膜が形成され効果が高い
▶正解と解説
正解:4
膜養生剤は散布量が不足すると連続した被膜が形成されず効果が低下するため少ないほど効果が高いは不適切である。水光りが消えた直後に均一散布し、水分逸散を抑えるが、打継面では新旧の付着低下に注意を要する。
例14型枠に作用するコンクリートの側圧に関する記述として、( )に入る語句の組み合わせで最も適切なものはどれか。
- 1.打込み速度が速いほど側圧は(小さく)、温度が高いほど(大きく)なる
- 2.打込み速度が速いほど側圧は(大きく)、温度が高いほど(小さく)なる
- 3.打込み速度が速いほど側圧は(大きく)、温度が高いほど(大きく)なる
- 4.打込み速度が速いほど側圧は(小さく)、温度が高いほど(小さく)なる
▶正解と解説
正解:2
打込み速度が速いほど液圧的に作用する高さが増し側圧は大きくなる。一方、コンクリート温度が高いほど凝結が早まり側圧は小さくなる。したがって速度が速いほど大きく、温度が高いほど小さくなる組み合わせが適切である。
例15コンクリート表面の初期欠陥に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.砂すじはブリーディングに伴い水みちに沿って砂が露出したものである
- 2.表面気泡は十分な締固めにより必ず消失する
- 3.あばたは骨材が露出し凹凸が大きくなった健全な仕上げである
- 4.砂すじは単位水量を多くすると低減できる
▶正解と解説
正解:1
砂すじはブリーディング水が型枠面に沿って上昇する水みちに沿い細骨材が露出する欠陥である。表面気泡は締固めや型枠の工夫で軽減するが完全には消えにくく、単位水量を多くするとブリーディングが増え砂すじは助長される。
例16鉄筋のかぶりおよびスペーサに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 1.スペーサは鉄筋を所定位置に保持しかぶりを確保する
- 2.スラブ筋下面にはモルタル製やコンクリート製スペーサが用いられる
- 3.かぶりは耐久性や耐火性の確保に関与する
- 4.かぶりは小さいほど鉄筋の発錆を防止できる
▶正解と解説
正解:4
かぶりは大きいほど中性化や塩分の鉄筋到達を遅らせ発錆を防ぐため小さいほど発錆防止は不適切である。スペーサで鉄筋を保持しかぶりを確保し、かぶりは耐久性・耐火性に関与する重要な要素である。
例17コンクリートの仕上げおよび表面処理に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1.ブリーディング水は仕上げ前に練り込むように仕上げるのがよい
- 2.過度の金ごて仕上げは表面の緻密化でひび割れを誘発することがある
- 3.沈下ひび割れはタンピングや再仕上げでは抑えられない
- 4.仕上げは打込み直後に一度だけ行えば十分である
▶正解と解説
正解:2
過度の金ごて仕上げは表層を過度に緻密化し、初期の収縮で表面ひび割れを誘発することがある。ブリーディング水は除去してから仕上げ、沈下ひび割れはタンピングや再仕上げで抑制し、仕上げは適切な時期に複数回行う。
例18コンクリートの沈下ひび割れおよびその対策に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.沈下ひび割れは、鉄筋など沈下を妨げる箇所の上面に沿って生じやすい
- 2.沈下ひび割れは、単位水量を多くするほど発生しにくくなる
- 3.沈下ひび割れは硬化後にしか生じないため、凝結前の処置では消せない
- 4.ブリーディングが小さく沈下量が大きいほど、沈下ひび割れは発生しやすい
▶正解と解説
正解:1
沈下ひび割れは、打込み後にコンクリートが沈下する際、鉄筋やセパレータなど沈下を妨げるものの上面で拘束されて生じる。ブリーディングが大きく沈下量が大きいほど発生しやすい。凝結前にタンピングや再振動(再仕上げ)を行うと消すことができる。単位水量を増やすと沈下が増え助長されるため対策にならない。
例19プレクーリングやポンプ圧送に先立つ準備など、施工計画上の配慮に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- 1.打込みの自由落下高さは、材料分離を防ぐためできるだけ小さくする
- 2.打込みの区画・順序や1回の打込み量はあらかじめ計画しておく
- 3.ポンプ圧送開始時の先送りモルタルは、そのまま型枠内に打ち込んで部材に利用する
- 4.暑中では打込み前に型枠や鉄筋へ散水し、温度上昇を抑える配慮を行う
▶正解と解説
正解:3
ポンプ圧送開始時に管内潤滑のため送る先送りモルタルは、品質確保のため型枠内には打ち込まず原則として廃棄する。コンクリートの自由落下高さは分離防止のため小さくし、打込み区画や順序は計画し、暑中では型枠・鉄筋への散水で温度上昇を抑えるなどの配慮が必要である。
例20型枠用はく離剤(剥離剤)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.はく離剤は多量に塗るほど表面が美しく仕上がるため、できるだけ厚く塗る
- 2.はく離剤は鉄筋や打継面に付着しても、付着力には影響しない
- 3.はく離剤の種類は、後の表面仕上げや塗装の有無と無関係に選んでよい
- 4.はく離剤は型枠の取外しを容易にするが、鉄筋や打継面への付着は避ける
▶正解と解説
正解:4
はく離剤は型枠の取外しを容易にし表面を傷めないよう塗布するが、過剰に塗ると表面に気泡や色むらを生じやすい。鉄筋や打継面に付着すると付着力を低下させるため付着させないよう注意する。表面仕上げや塗装の予定がある場合は、その仕上げに支障のないはく離剤を選ぶ必要がある。
※掲載しているのは、公式資料をもとに当サイトが独自作成した模擬問題です(実際の試験問題の転載ではありません)。採点・間違えた問題の自動記録・復習スケジュールまで使うには、下のボタンから演習モードでどうぞ。