コンクリート技士「コンクリート用材料」対策
セメントの種類と性質、骨材の品質・粗粒率・密度、混和材料(AE剤・減水剤・フライアッシュ・高炉スラグ微粉末等)の作用など、コンクリートを構成する材料を扱う分野です。
収録問題数:42問(解説つき)/最終更新:2026年8月
「コンクリート用材料」で実際に問われること
収録している42問から20問を、本番と同じ四肢択一の形で抜粋しました。各問の「正解と解説」を開くと、正解と、解答の根拠になる要点が読めます。
例1ポルトランドセメントの性質に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.早強ポルトランドセメントは、普通ポルトランドセメントより粉末度(比表面積)が小さい
- 2.中庸熱ポルトランドセメントは、けい酸三カルシウム(C3S)とアルミン酸三カルシウム(C3A)の量を多くしている
- 3.低熱ポルトランドセメントは、けい酸二カルシウム(C2S)の量を多くしている
- 4.耐硫酸塩ポルトランドセメントは、アルミン酸三カルシウム(C3A)の量を多くしている
▶正解と解説
正解:3
低熱ポルトランドセメントは水和熱の小さいC2Sを多くし、水和熱を抑えている。早強は粉末度を大きくして強度発現を早めている。中庸熱はC3S・C3Aを少なくして水和熱を抑え、耐硫酸塩はC3Aを少なくしている。
例2セメントの凝結および粉末度に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- 1.セメントの粉末度が高いほど、水和反応が速く進み、初期強度が大きくなる傾向がある
- 2.セメントの凝結は、温度が高いほど早く、低いほど遅くなる傾向がある
- 3.風化したセメントは、凝結が異常に早くなり、強度も増大する
- 4.セメントに含まれるせっこうは、凝結時間を調整する役割を持つ
▶正解と解説
正解:3
風化したセメントは空気中の水分や二酸化炭素と反応し、凝結が遅延し強度が低下するため、強度増大は誤り。粉末度が高いほど初期強度は大きくなり、凝結は高温で早まる。せっこうはC3Aの急結を防ぎ凝結を調整する。
例3骨材の粗粒率(F.M.)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.粗粒率は、80mmから0.075mmまでのふるいにとどまる質量百分率の和を100で除した値である
- 2.粗粒率が大きいほど、骨材の粒度は細かい
- 3.一般に細骨材の粗粒率は、粗骨材の粗粒率より大きい
- 4.粗粒率は、80・40・20・10・5・2.5・1.2・0.6・0.3・0.15mmの各ふるいを用いて求める
▶正解と解説
正解:4
粗粒率は所定の10個のふるい(80・40・20・10・5・2.5・1.2・0.6・0.3・0.15mm)にとどまる質量百分率の和を100で除して求める。粗粒率が大きいほど粒度は粗く、細骨材より粗骨材の方が大きい。
例4骨材の密度および吸水率に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- 1.表乾密度は、表面乾燥飽水状態の骨材の密度である
- 2.吸水率は、絶乾状態から表乾状態になるまでに吸水する水量の絶乾質量に対する百分率である
- 3.骨材の吸水率が大きいほど、一般に骨材の品質は良好で耐凍害性に優れる
- 4.軽量骨材は、普通骨材に比べて吸水率が大きい傾向がある
▶正解と解説
正解:3
吸水率が大きい骨材は空隙が多く、一般に強度が低く耐凍害性に劣るため、品質良好とするのは誤り。吸水率は絶乾から表乾までの吸水量を絶乾質量で除した百分率で、軽量骨材は多孔質のため吸水率が大きい。
例5アルカリシリカ反応(ASR)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.アルカリシリカ反応は、骨材中の反応性シリカとセメント等のアルカリが反応し、膨張ひび割れを生じる現象である
- 2.アルカリシリカ反応の抑制対策として、高炉セメントB種やフライアッシュセメントB種の使用は効果がない
- 3.コンクリート中のアルカリ総量を、Na2O換算で5.0kg/m3以下に抑えることが対策の一つである
- 4.アルカリシリカ反応は、水分が存在しない乾燥環境ほど進行しやすい
▶正解と解説
正解:1
ASRは骨材中の反応性シリカ鉱物とアルカリが反応しアルカリシリカゲルを生成、吸水膨張してひび割れを生じる。抑制には混合セメント(高炉B種等)が有効、アルカリ総量3.0kg/m3以下に規制、水分のある湿潤環境ほど進行する。
例6フライアッシュに関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- 1.フライアッシュを用いると、ワーカビリティーが改善され単位水量を減らせる
- 2.フライアッシュはポゾラン反応により長期強度の増進が期待できる
- 3.フライアッシュを用いると、水和熱が低減され温度ひび割れの抑制に有効である
- 4.フライアッシュの強熱減量が大きいほど、AE剤の使用量を減らせる
▶正解と解説
正解:4
フライアッシュの強熱減量は未燃カーボン量を表し、大きいほど空気連行を阻害するためAE剤の使用量が増加する。フライアッシュはボールベアリング効果で流動性を改善し単位水量を減らし、ポゾラン反応で長期強度増進、水和熱低減に寄与する。
例7高炉スラグ微粉末に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.高炉スラグ微粉末は、それ自体が水と反応して速やかに硬化する水硬性材料である
- 2.高炉スラグ微粉末を用いると、アルカリシリカ反応の抑制や塩化物イオンの浸透抑制に効果がある
- 3.高炉スラグ微粉末を用いると、初期強度が著しく増大する
- 4.高炉スラグ微粉末の粉末度は、コンクリートの性質に影響を与えない
▶正解と解説
正解:2
高炉スラグ微粉末は水酸化カルシウム等の刺激により潜在水硬性を発揮し、組織を緻密化してASR抑制や塩化物イオン浸透抵抗性を高める。単独では速硬しにくく初期強度はやや小さいが、粉末度が高いほど活性は増す。
例8シリカフュームに関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- 1.シリカフュームは、平均粒径が0.1µm程度の非常に微細な球形粒子である
- 2.シリカフュームを用いると、マイクロフィラー効果とポゾラン反応により高強度化が図れる
- 3.シリカフュームを用いると、材料分離抵抗性が向上する
- 4.シリカフュームは比表面積が小さいため、単位水量を大きく減らせる
▶正解と解説
正解:4
シリカフュームは比表面積が極めて大きく、添加すると粘性が増し所要のワーカビリティー確保のため単位水量や高性能AE減水剤が必要となる。微細球形粒子のマイクロフィラー効果とポゾラン反応で高強度・高耐久化、材料分離抵抗性向上に寄与する。
例9膨張材に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.膨張材は、コンクリートに乾燥収縮を促進させる目的で用いられる
- 2.膨張材は、エトリンガイトや水酸化カルシウムの生成により膨張作用を発揮する
- 3.膨張材を用いると、必ずコンクリート強度が低下する
- 4.膨張材は、AE剤の一種で空気量を増加させる混和剤である
▶正解と解説
正解:2
膨張材はエトリンガイト系または石灰系で、水和により膨張し収縮補償やケミカルプレストレスを与え、乾燥収縮ひび割れの低減に用いる。適切な使用量では強度低下は小さく、混和剤ではなく混和材に分類される。
例10AE剤および連行空気に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- 1.AE剤により連行された微細な独立気泡は、コンクリートの耐凍害性を向上させる
- 2.エントレインドエア(連行空気)は、ワーカビリティーを改善する
- 3.空気量が1%増加すると、圧縮強度は一般に4〜6%程度低下する
- 4.連行空気量が多いほど、ブリーディングが増加する
▶正解と解説
正解:4
連行空気はボールベアリング作用で材料分離やブリーディングを抑制するため、空気量が多いほどブリーディングは減少する。微細独立気泡は耐凍害性を高めワーカビリティーを改善するが、空気量1%増で強度は4〜6%程度低下する。
例11高性能AE減水剤に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.高性能AE減水剤は、AE減水剤に比べて減水率が小さい
- 2.高性能AE減水剤は、高い減水性能とスランプ保持性能を併せ持つ
- 3.高性能AE減水剤は、空気を連行する性能を全く持たない
- 4.高性能AE減水剤は、主に貧配合の低強度コンクリートに用いられる
▶正解と解説
正解:2
高性能AE減水剤は高い減水性能(一般に18%以上)と良好なスランプ保持性能を併せ持ち、高強度・高流動コンクリートに用いられる。適度な空気連行性能も有し、AE減水剤より減水率が大きい点が特徴である。
例12練混ぜ水に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- 1.上水道水は、特に試験を行わなくても練混ぜ水として使用できる
- 2.回収水は、上澄水とスラッジ水に分けられる
- 3.スラッジ水を用いる場合、スラッジ固形分率は3%以下とすることが原則である
- 4.海水は、鉄筋コンクリートの練混ぜ水として無条件に使用してよい
▶正解と解説
正解:4
海水は塩化物イオンを多量に含み鉄筋を腐食させるため、鉄筋コンクリートの練混ぜ水には原則使用できない。上水道水は試験不要で使用可、回収水は上澄水とスラッジ水に分けられ、スラッジ固形分率は3%以下が原則である。
例13硬化促進剤および凝結遅延剤に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.塩化カルシウムは硬化促進剤として、鉄筋コンクリートに多量に用いて差し支えない
- 2.凝結遅延剤は、暑中コンクリートや長距離運搬時のスランプ低下抑制に用いられる
- 3.凝結遅延剤を用いると、初期強度が必ず増大する
- 4.硬化促進剤は、寒中コンクリートには使用してはならない
▶正解と解説
正解:2
凝結遅延剤は水和を遅らせ、暑中コンクリートやコールドジョイント防止、長距離運搬時のスランプ保持に用いる。塩化カルシウムは鉄筋腐食を招くため鉄筋コンクリートでは制限され、硬化促進剤は寒中コンクリートの初期凍害防止に有効である。
例14骨材中の有害物に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- 1.細骨材中の塩化物量は、NaCl換算で多いほど鉄筋腐食の危険が高まる
- 2.粘土塊やシルトなどの微粒分が多いと、単位水量が増加し乾燥収縮が大きくなる
- 3.骨材に含まれる有機不純物は、セメントの凝結や強度発現を阻害する
- 4.軟石(軟らかい石片)が多くても、コンクリートの強度や耐摩耗性には影響しない
▶正解と解説
正解:4
軟石はコンクリートの強度や耐摩耗性を低下させる有害物であり、影響しないとするのは誤り。塩化物は鉄筋腐食を、微粒分は単位水量増加と乾燥収縮を、有機不純物は凝結遅延や強度低下を招くため、いずれも含有量が制限される。
例15砕石・砕砂および再生骨材に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.砕石・砕砂は粒形が角張り表面が粗いため、川砂利・川砂に比べて同一スランプを得るのに単位水量が多くなる
- 2.砕砂を用いると、川砂に比べて必ずワーカビリティーが向上する
- 3.再生骨材Hは、再生骨材の中で最も品質が低く構造用に使えない
- 4.砕石の粒形判定実積率が小さいほど、粒形は良好である
▶正解と解説
正解:1
砕石・砕砂は破砕により粒形が角張り表面が粗いため、所要のワーカビリティー確保に単位水量がやや多く必要となる。再生骨材は高品質順にH・M・Lで分類され、粒形判定実積率は大きいほど粒形が良好である。
例16セメントの強さ試験および種類に関する次の記述の( )に入る語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。 セメントの圧縮強さ試験は、セメント・標準砂・水を所定の割合で練り混ぜた( ア )を用い、材齢( イ )などで測定する。
- 1.(ア)モルタル (イ)3日・7日・28日
- 2.(ア)コンクリート (イ)7日・28日のみ
- 3.(ア)セメントペースト (イ)1日・3日
- 4.(ア)モルタル (イ)28日のみ
▶正解と解説
正解:1
JIS R 5201のセメント強さ試験では、セメント・標準砂・水を所定割合で練ったモルタル供試体を用い、材齢3日・7日・28日(早強等は1日を含む)で圧縮強さを測定する。コンクリートやペーストではなくモルタルを用いる点が要点である。
例17混和剤の種類とその主な作用の組み合わせとして、最も不適切なものはどれか。
- 1.(混和剤)AE剤 (作用)微細な空気泡を連行し耐凍害性を向上させる
- 2.(混和剤)減水剤 (作用)セメント粒子を分散させ単位水量を減らす
- 3.(混和剤)流動化剤 (作用)あらかじめ練り混ぜたコンクリートに添加し流動性を高める
- 4.(混和剤)防錆剤 (作用)コンクリートの空気量を増加させブリーディングを抑制する
▶正解と解説
正解:4
防錆剤は塩化物による鉄筋腐食を抑制する目的で用いる混和剤であり、空気量増加やブリーディング抑制は作用ではない。AE剤は空気連行、減水剤はセメント分散による減水、流動化剤は練り上がり後の添加による流動性向上が主作用である。
例18セメントの水和反応とその水和物に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- 1.強度発現の主体となる水和物は、けい酸カルシウム水和物(C-S-H)である
- 2.けい酸三カルシウム(C3S)は早期の、けい酸二カルシウム(C2S)は長期の強度発現に寄与する
- 3.アルミン酸三カルシウム(C3A)は水和が速く、せっこうにより凝結を調整する
- 4.水和で生成する水酸化カルシウムは、コンクリート強度発現の主体である
▶正解と解説
正解:4
セメントの水和で生成する水酸化カルシウムはアルカリ性を保ち鋼材の不動態皮膜を保護するが、中性化や溶脱で消費されると鉄筋腐食を招くため、強度の主体ではない。強度発現の主体はけい酸カルシウム水和物(C-S-H)であり、C3Sは早期、C2Sは長期の強度に寄与し、C3Aは凝結が速くせっこうで調整する。
例19コンクリート用棒鋼(鉄筋)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.異形棒鋼の記号SD345の数値は、引張強さの上限値を示している
- 2.SD345はSD295より降伏点(規格値)が大きい鋼種である
- 3.鉄筋とコンクリートの線膨張係数は大きく異なるため、温度変化で容易に剥離する
- 4.鉄筋表面の浮きさびは付着を高めるため、多いほど望ましい
▶正解と解説
正解:2
異形棒鋼SD295やSD345などの数値は降伏点(または0.2%耐力)の下限値をN/mm2で表したもので、SD345は降伏点295N/mm2より大きい。異形棒鋼はリブ・節により付着を高め、鉄筋とコンクリートの線膨張係数はほぼ等しく一体として挙動でき、過度の発錆は付着低下や断面欠損を招く。
例20細骨材の有機不純物試験(NaOH溶液を用いる試験)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 1.有機不純物試験は、塩酸溶液に骨材を浸して気泡の発生量で判定する
- 2.有機不純物は主に粗骨材に多く含まれ、細骨材ではほとんど問題とならない
- 3.上澄み液の色が標準色液より濃い場合でも、別途の試験で支障がなければ使用できる場合がある
- 4.有機不純物が多いほど、セメントの凝結が促進され強度が増大する
▶正解と解説
正解:3
細骨材中の有機不純物量は、水酸化ナトリウム溶液に骨材を浸し、生じる上澄み液の色を標準色液と比較して判定する。有機不純物は主に砂に含まれ、多いとセメントの凝結遅延や強度低下を招く。色が標準色液より濃い場合でも、モルタル強度比などの試験で支障がないことを確認すれば使用できる場合がある。
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