コンクリート診断士「コンクリートの基礎」対策

セメント・骨材・混和材料といった材料の性質、水セメント比と強度・耐久性の関係、フレッシュ性状や収縮・クリープなど、診断の前提となるコンクリート工学の基礎を扱う分野です。

収録問題数:23問(解説つき)/最終更新:2026年8月

コンクリートの基礎」で実際に問われること

収録している23問から20問を、本番と同じ四肢択一の形で抜粋しました。各問の「正解と解説」を開くと、正解と、解答の根拠になる要点が読めます。

先にこの分野23問を演習モードで解く →

  1. 1セメントの種類に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    1. 1.早強ポルトランドセメントは、普通ポルトランドセメントよりエーライト(C3S)の含有量が少なく、水和熱が小さい
    2. 2.中庸熱ポルトランドセメントは、ビーライト(C2S)を多くしてC3SやC3Aを低減し、水和熱を抑制している
    3. 3.低熱ポルトランドセメントは、C3Sを主成分とすることで初期強度を高めている
    4. 4.高炉セメントB種は、ポルトランドセメントに比べ初期強度発現が速いことが特徴である
    正解と解説

    正解:2

    中庸熱・低熱ポルトランドセメントは、発熱性の大きいC3SやC3Aを減らし、緩やかに反応するC2S(ビーライト)を増やして水和熱を抑制する。早強セメントはC3Sを多くして初期強度を高めるため発熱は大きい。高炉セメントB種は潜在水硬性のため初期強度発現は遅い。

  2. 2混和材料に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

    1. 1.フライアッシュは、ポゾラン反応により長期強度の増進や水密性の向上に寄与する
    2. 2.高炉スラグ微粉末は、潜在水硬性を有し、塩化物イオンの拡散抵抗性を高める効果がある
    3. 3.シリカフュームは、その微細な粒子による充填効果とポゾラン反応により高強度化に寄与する
    4. 4.AE剤は、コンクリート中に連行空気を導入し、単位水量を増加させてワーカビリティーを改善する
    正解と解説

    正解:4

    AE剤は微細な独立気泡を連行し、ボールベアリング効果でワーカビリティーを改善するとともに、同一スランプに必要な単位水量を減少させる。空気の連行により耐凍害性も向上する。フライアッシュやスラグ微粉末はポゾラン反応・潜在水硬性により長期性状を改善する。

  3. 3水セメント比とコンクリートの性質に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    1. 1.水セメント比が大きいほど、毛細管空隙が減少し透水性が低下する
    2. 2.水セメント比が小さいほど、一般に圧縮強度は高く、中性化や塩分浸透に対する抵抗性も高い
    3. 3.水セメント比は強度には影響するが、耐久性とは直接の関係はない
    4. 4.水セメント比を小さくすると、ブリーディングが増加し材料分離が生じやすい
    正解と解説

    正解:2

    水セメント比を小さくすると硬化体中の毛細管空隙が減少し、組織が緻密になるため強度が高くなるとともに、物質移動が抑制されて中性化や塩分浸透への抵抗性が向上する。すなわち水セメント比は強度と耐久性の双方を支配する基本指標である。

  4. 4フレッシュコンクリートのブリーディングに関する記述として、最も不適切なものはどれか。

    1. 1.ブリーディングが過大になると、鉄筋下面に水膜が形成され付着強度が低下することがある
    2. 2.ブリーディングにより上面付近のコンクリートが脆弱化し、レイタンスを生じることがある
    3. 3.単位水量が大きいほどブリーディング量は増加する傾向がある
    4. 4.粉末度の高いセメントを用いるほどブリーディング量は増加する傾向がある
    正解と解説

    正解:4

    ブリーディングは練混ぜ水の一部が上面に浮上する現象で、単位水量が大きいほど増加する。粉末度の高い(比表面積の大きい)セメントは保水性が高くブリーディングは減少する。過大なブリーディングは鉄筋下面の付着低下やレイタンス、上面の脆弱化を招く。

  5. 5硬化コンクリートの力学的性質に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    1. 1.引張強度は圧縮強度とほぼ等しい
    2. 2.ヤング係数は、圧縮強度が高いほど、また単位容積質量が大きいほど大きくなる傾向がある
    3. 3.ポアソン比は通常0.5程度である
    4. 4.曲げ強度は圧縮強度より大きい
    正解と解説

    正解:2

    コンクリートのヤング係数は圧縮強度の平方根におおむね比例し、単位容積質量(骨材の密度等)が大きいほど大きくなる。引張強度や曲げ強度は圧縮強度よりかなり小さく、引張強度は圧縮強度の1割程度である。ポアソン比はおおむね0.2程度である。

  6. 6コンクリートの収縮に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

    1. 1.乾燥収縮は、硬化体中の水分が外部に逸散することにより生じる
    2. 2.自己収縮は、水和の進行に伴い内部が自己乾燥状態となって生じ、水セメント比が小さいほど顕著になる
    3. 3.単位水量が大きいほど乾燥収縮は大きくなる傾向がある
    4. 4.骨材量を増やすと乾燥収縮は大きくなる
    正解と解説

    正解:4

    乾燥収縮はセメントペースト部分で生じ、収縮を拘束する骨材の量が多いほど抑制される。したがって単位水量を抑え骨材量を多くすると乾燥収縮は小さくなる。自己収縮は水セメント比が小さい高強度コンクリートで顕著となる。

  7. 7コンクリートのクリープに関する記述として、最も適切なものはどれか。

    1. 1.クリープは、持続荷重の作用下で時間とともにひずみが増大する現象である
    2. 2.載荷時の材齢が早いほどクリープは小さくなる
    3. 3.水セメント比が小さいほどクリープは大きくなる
    4. 4.乾燥環境よりも湿潤環境のほうがクリープは大きい
    正解と解説

    正解:1

    クリープは持続応力下でひずみが時間とともに増大する現象である。載荷時材齢が早いほど、水セメント比が大きいほど、また乾燥環境ほどクリープは大きくなる。応力レベルが高いほどクリープひずみも大きくなる。

  8. 8セメントの水和と水和熱に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

    1. 1.C3A(アルミネート相)は水和反応が速く、発熱量が大きい
    2. 2.水和熱はマスコンクリートの温度ひび割れの原因となりうる
    3. 3.低熱ポルトランドセメントはマスコンクリートの温度応力低減に有効である
    4. 4.フライアッシュや高炉スラグ微粉末の使用は、発熱速度を速め温度ひび割れを助長する
    正解と解説

    正解:4

    フライアッシュや高炉スラグ微粉末を混合材として用いると、単位セメント量が減るとともに発熱が緩やかになり、温度上昇が抑制されるため温度ひび割れの抑制に有効である。C3Aは反応が速く発熱が大きい。低熱セメントはマスコンクリートに適する。

  9. 9コンクリートの細孔構造と物質移動に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    1. 1.毛細管空隙が多いほど、透水性や物質拡散抵抗性は高くなる
    2. 2.水セメント比を小さくし組織を緻密にすると、塩化物イオンの拡散係数は小さくなる
    3. 3.ゲル空隙の増加は透水性を著しく増大させる
    4. 4.空気量を増やすほど、連通空隙が増え水密性が向上する
    正解と解説

    正解:2

    硬化体の物質移動は主に毛細管空隙を通じて生じ、水セメント比を小さくして毛細管空隙を減らすと組織が緻密化し、透水性や塩化物イオン拡散係数が低下する。ゲル空隙は微細で物質移動への寄与は小さい。AEによる独立気泡は連通せず水密性を損なわない。

  10. 10コンクリートの中性化に対する材料的抵抗性に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

    1. 1.水セメント比が小さいほど、組織が緻密となり中性化速度は小さくなる
    2. 2.水酸化カルシウムの量が多いほど、中性化に対する緩衝作用は大きくなる
    3. 3.混和材を多量に用いて水酸化カルシウムを消費すると、一般に中性化速度は速くなる傾向がある
    4. 4.気乾状態よりも常時水中にあるコンクリートのほうが中性化が進行しやすい
    正解と解説

    正解:4

    中性化は二酸化炭素の拡散と反応により進行するため、空隙が水で満たされてCO2が侵入しにくい水中や高湿度では進行しにくく、適度に乾燥した環境で速い。水セメント比が小さいほど、また水酸化カルシウムが多いほど中性化抵抗は高い。ポゾラン反応でCa(OH)2を消費すると中性化は速くなりやすい。

  11. 11鉄筋とコンクリートのかぶり(厚さ)の役割に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    1. 1.かぶりは構造上の役割のみを担い、耐久性とは無関係である
    2. 2.かぶりが大きいほど、鉄筋位置までの中性化や塩化物イオンの到達が遅れ、鉄筋腐食までの期間が長くなる
    3. 3.かぶりは小さいほど、鉄筋とコンクリートの付着が向上する
    4. 4.かぶりは火災時の鉄筋温度上昇とは関係がない
    正解と解説

    正解:2

    かぶりは鉄筋を中性化や塩化物イオン、火害から保護する耐久性上の重要な役割を持つ。かぶりが大きいほど劣化因子が鉄筋に到達するまでの期間が長くなり、腐食開始を遅らせる。付着や構造性能だけでなく耐久性確保の観点からも所要のかぶりが規定される。

  12. 12高性能AE減水剤に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

    1. 1.高い減水性能を有し、低水セメント比でも良好な流動性を確保できる
    2. 2.スランプロスを比較的小さく抑えられる製品が多い
    3. 3.所要のワーカビリティーを得つつ単位水量の低減が可能で、高強度・高耐久コンクリートに用いられる
    4. 4.主に単位水量を増加させてスランプを高めることを目的とする
    正解と解説

    正解:4

    高性能AE減水剤は分散性能が高く、少ない単位水量で大きな流動性を確保できる混和剤で、スランプロスの低減にも配慮されている。単位水量を増やすのではなく低減することで、高強度・高耐久・高流動コンクリートの製造を可能とする。

  13. 13コンクリート用骨材と配合に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    1. 1.単位水量を大きくすると、乾燥収縮やブリーディングが減少する
    2. 2.所要のワーカビリティーが得られる範囲で、単位水量はできるだけ小さくするのが耐久性上望ましい
    3. 3.細骨材率を高くするほど、所要スランプに必要な単位水量は小さくなる
    4. 4.粗骨材の最大寸法を大きくしても、所要単位水量は変わらない
    正解と解説

    正解:2

    単位水量が大きいほど乾燥収縮・ブリーディング・水和熱が増大し、強度や耐久性が低下する。このため所要のワーカビリティーが得られる範囲で単位水量はできるだけ少なくする。細骨材率を高くすると単位水量は増加し、粗骨材の最大寸法を大きくすると所要単位水量は減少する傾向がある。

  14. 14次の文の( )に当てはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。 「高炉セメントや混合セメントは、ポルトランドセメントに比べて( A )性が改善される一方、初期強度発現が( B )ため、初期の( C )を十分に行う必要がある。」

    1. 1.A:塩化物イオン遮蔽 B:速い C:給熱養生
    2. 2.A:塩化物イオン遮蔽 B:遅い C:湿潤養生
    3. 3.A:中性化抵抗 B:遅い C:乾燥養生
    4. 4.A:凍害抵抗 B:速い C:湿潤養生
    正解と解説

    正解:2

    高炉セメントは緻密な組織と塩化物イオン固定により塩化物イオンの遮蔽性が向上するが、潜在水硬性のため初期強度発現が遅い。水和を十分に進め組織を緻密化させるには初期の湿潤養生が特に重要となる。養生不足は表層品質や中性化抵抗の低下を招く。

  15. 15フレッシュコンクリートの空気量に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

    1. 1.適切な連行空気は、耐凍害性を向上させる
    2. 2.空気量が増えると、一般に圧縮強度は低下する傾向がある
    3. 3.空気量が増えると、スランプは大きくなる傾向がある
    4. 4.空気量は多いほどよく、上限を設ける必要はない
    正解と解説

    正解:4

    連行空気は気泡が凍結時の膨張圧を緩和し耐凍害性を高めるが、空気量が過大になると強度低下を招くため、耐久性と強度のバランスから適切な範囲(上限)が定められる。空気量の増加はワーカビリティーを改善しスランプを増大させる効果もある。

  16. 16コンクリートの圧縮強度と材齢・養生に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    1. 1.湿潤養生の期間が長いほど水和が進行し、強度や耐久性が向上する
    2. 2.硬化初期に乾燥させても、強度発現には影響しない
    3. 3.養生温度が高いほど長期強度は常に大きくなる
    4. 4.水中養生より気中養生のほうが強度発現に有利である
    正解と解説

    正解:1

    水和反応には水分が必要であり、湿潤養生を十分に行うほど水和が進み、強度や表層の緻密化による耐久性が向上する。初期に乾燥させると水和が阻害され強度発現や表層品質が低下する。高温養生は初期強度を高めるが長期強度はかえって低下する場合がある。

  17. 17次の文の( )に当てはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。 「シリカフュームは比表面積が極めて大きく、ペースト中の空隙への( A )と、水酸化カルシウムとの( B )反応により組織が緻密化し、高強度コンクリートの( C )に寄与する。」

    1. 1.A:充填効果 B:ポゾラン C:強度・水密性の向上
    2. 2.A:吸水効果 B:水硬性 C:乾燥収縮の増大
    3. 3.A:充填効果 B:中性化 C:ブリーディングの増大
    4. 4.A:分離効果 B:潜在水硬性 C:発熱の増大
    正解と解説

    正解:1

    シリカフュームは超微粒子で空隙を物理的に充填する効果と、水酸化カルシウムと反応するポゾラン反応により遷移帯を含む組織を緻密化する。これにより高強度化と水密性向上に寄与する。一方で粘性が高くなりやすく、高性能減水剤との併用が一般的である。

  18. 18コンクリート中の鉄筋が腐食せずに保たれる不動態皮膜に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    1. 1.不動態皮膜は細孔溶液のpHが概ね9以下の弱アルカリ環境で安定に保たれる
    2. 2.不動態皮膜はコンクリート表面の炭酸カルシウム層を指し、鋼材表面には形成されない
    3. 3.細孔溶液が高アルカリ性であることにより鋼材表面に緻密な酸化物皮膜が形成され腐食が抑制される
    4. 4.塩化物イオンが存在するほど不動態皮膜は安定し腐食しにくくなる
    正解と解説

    正解:3

    健全なコンクリートの細孔溶液は水酸化カルシウム等により高アルカリ(pH12〜13程度)に保たれ、鉄筋表面に緻密な酸化物の不動態皮膜が形成されて腐食が抑制される。中性化によるpH低下や塩化物イオンの作用でこの皮膜が破壊されると腐食が始まる。皮膜は鋼材そのものの表面に生じる酸化物層である。

  19. 19コンクリートの熱的性質に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

    1. 1.コンクリートの熱伝導率は使用骨材の種類や含水状態の影響を受ける
    2. 2.マスコンクリートでは内部と表面の温度差により温度応力が生じ、ひび割れの原因となる
    3. 3.比熱や熱伝導率は、マスコンクリートの温度上昇の解析において重要な物性値である
    4. 4.コンクリートの線膨張係数は鋼材と大きく異なるため、両者を一体として扱うことはできない
    正解と解説

    正解:4

    コンクリートの線膨張係数は鋼材とほぼ同程度(概ね10×10のマイナス6乗毎℃前後)であり、この近似により鉄筋コンクリートが温度変化下でも一体として挙動できる。両者が大きく異なるとの記述は誤り。熱伝導率は骨材種類や含水状態の影響を受け、比熱とともに温度応力やマスコンの温度解析に関与する。

  20. 20セメントの水和生成物に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

    1. 1.C-S-H(けい酸カルシウム水和物)は強度発現の主体となる主要な水和生成物である
    2. 2.水酸化カルシウムはコンクリート強度発現の主体であり、消費されると強度が著しく増大する
    3. 3.エトリンガイトは硬化後期にのみ生成し、初期の凝結には関与しない
    4. 4.ポゾラン反応は水酸化カルシウムを生成し、細孔溶液のアルカリ性を高める
    正解と解説

    正解:1

    C-S-H(けい酸カルシウム水和物)は強度発現の主体となる主要水和物で、組織を緻密化し強度に最も寄与する。水酸化カルシウム(Ca(OH)2)は細孔溶液のアルカリ性を保つが強度寄与は小さく、中性化で消費される。エトリンガイトは初期に生成し凝結に関与する。ポゾラン反応はCa(OH)2を消費してC-S-Hを生成する。

※掲載しているのは、公式資料をもとに当サイトが独自作成した模擬問題です(実際の試験問題の転載ではありません)。採点・間違えた問題の自動記録・復習スケジュールまで使うには、下のボタンから演習モードでどうぞ。

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