河川点検士「維持管理に関する技術基準」対策

「堤防等河川管理施設及び河道の点検・評価要領」を中心とした技術基準の分野です。評価区分(a〜d)と判定の考え方、護岸・樋門・根固工などの変状ごとの評価基準が問われます。

収録問題数:52問(解説つき)/最終更新:2026年8月

維持管理に関する技術基準」で実際に問われること

収録している52問から20問を、本番と同じ四肢択一の形で抜粋しました。各問の「正解と解説」を開くと、正解と、解答の根拠になる要点が読めます。

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  1. 1「堤防等河川管理施設及び河道の点検・評価要領」における変状箇所ごとの点検結果評価区分について、次の( )に当てはまる語句の組み合わせとして最も適切なものはどれか。 「評価区分は( a )(異状なし)、( b )(要監視段階)、( c )(予防保全段階)、( d )(措置段階)の4段階とし、変状箇所ごとの評価はアルファベット( e )で、一連区間又は施設ごとの総合的な評価はアルファベット( f )で表記する。」

    1. 1.a:A、b:B、c:C、d:D、e:大文字、f:小文字
    2. 2.a:1、b:2、c:3、d:4、e:数字、f:数字
    3. 3.a:a、b:b、c:c、d:d、e:小文字、f:大文字
    4. 4.a:○、b:△、c:×、d:××、e:記号、f:記号
    正解と解説

    正解:3

    点検・評価要領では、変状箇所ごとの評価はa(異状なし)b(要監視)c(予防保全)d(措置)の小文字アルファベットで、一連区間・施設ごとの総合的な評価はA・B・C・Dの大文字で表記します。

  2. 2「堤防等河川管理施設及び河道の点検・評価要領」における「d評価(措置段階)」の状態として、最も適切なものはどれか。

    1. 1.目視できる変状がない、または軽微な変状が確認されるが機能に支障が生じていない状態。
    2. 2.変状が確認され進行する可能性があるが、機能に支障は生じていない状態。
    3. 3.変状の進行性があり予防保全の観点から対策が望ましいが、機能に支障は生じていない状態。
    4. 4.堤防等河川管理施設の機能に支障が生じており、補修又は更新等の対策が必要な状態。
    正解と解説

    正解:4

    d評価(措置段階)は「堤防等河川管理施設の機能に支障が生じており、補修又は更新等の対策が必要な状態」です。速やかに補修等を実施することが求められます。a=異状なし、b=要監視、c=予防保全、d=措置の4段階です。

  3. 3「堤防等河川管理施設及び河道の点検・評価要領」が定める定期的な点検の実施時期として、最も適切なものはどれか。

    1. 1.年1回(梅雨期前のみ)実施することを基本とする。
    2. 2.5年に1回の割合で実施する。
    3. 3.出水期前と台風期に実施することを基本とし、年2回が標準。
    4. 4.毎月1回実施することが義務付けられている。
    正解と解説

    正解:3

    同要領では、定期的な点検は「出水期前」と「台風期」に実施することを基本としており、年2回が標準です。なお、台風期点検の対象は土堤及び樋門等構造物周辺の堤防を標準とします。

  4. 4護岸の点検結果評価において、コンクリートブロック張り護岸の目地の開き・クラックが「2mm以上かつ裏込材の粒径以下」の場合、変状箇所ごとの評価区分として最も適切なものはどれか。

    1. 1.a(異状なし)
    2. 2.c(予防保全段階)
    3. 3.b(要監視段階)
    4. 4.d(措置段階)
    正解と解説

    正解:3

    点検・評価要領では、護岸の目地の開き・クラックが「2mm以上裏込材の粒径以下」の場合はb(要監視段階)と評価します。「裏込材の粒径以上」になるとc(予防保全段階)、背面土が露出する欠損等はd(措置段階)となります。

  5. 5「堤防等河川管理施設及び河道の点検・評価要領」における堤防の点検対象について、台風期点検で対象となるものとして最も適切なものはどれか。

    1. 1.すべての施設(堤防・護岸・樋門・水門等)が対象。
    2. 2.護岸と水門のみが対象。
    3. 3.土堤及び樋門等構造物周辺の堤防を対象とすることが標準。
    4. 4.河道(土砂堆積・樹木繁茂)のみが対象。
    正解と解説

    正解:3

    台風期点検の対象は「土堤及び樋門等構造物周辺の堤防」を対象とすることを標準としています。出水期前点検は全項目が対象です。出水後点検は陸閘を除く全項目を対象として実施することが基本です。

  6. 6根固工を有する護岸において、根固工の沈下量を評価する際の「b(要監視段階)」の判定目安として最も適切なものはどれか。

    1. 1.根固工前列が低下した状態。
    2. 2.基礎工天端が露出している状態。
    3. 3.残存設置幅がブロック2列または2m程度になった状態。
    4. 4.基礎工が浮き上がっているように見える状態。
    正解と解説

    正解:3

    点検・評価要領では、根固工を有する護岸において「残存設置幅がブロック2列または2m程度」になった場合をb(要監視段階)と評価します。根固工前列の低下はc(予防保全段階)、基礎工の露出もc評価となります。

  7. 7「堤防等河川管理施設及び河道の点検・評価要領」が定める点検の手段として、最も適切なものはどれか。

    1. 1.機器による計測のみを基本とし、目視は補助的手段とする。
    2. 2.ドローン等の空撮映像による確認のみで足りる。
    3. 3.目視を主体とし、その他適切な方法(計測・触診・打音検査等)も含む。
    4. 4.書類審査のみを基本とし、現地確認は省略できる。
    正解と解説

    正解:3

    同要領は「点検は目視その他適切な方法により行う」と定めています。「その他適切な方法」とは目視と同等以上に状態把握できる技術(計測・触診・打音等を含む)を指します。近年はドローン等の新技術活用も推進されています。

  8. 8堤防の土堤変状種別のうち、点検・評価要領においてc評価(予防保全段階)を基本的に設定しないとされているのはどれか。

    1. 1.亀裂(クラック)
    2. 2.はらみ出し
    3. 3.護岸基礎部の洗掘
    4. 4.土堤の亀裂・陥没・法崩れ・沈下・はらみ出し・寺勾配などの形状変化
    正解と解説

    正解:4

    点検・評価要領では、土堤の亀裂・陥没・法崩れ・沈下・はらみ出し・寺勾配など①〜⑦の変状は「盛土は洪水等により急激に変状が進行することもあるため、劣化の予測が困難」としてc評価を基本設定しないとされています。

  9. 9「堤防等河川管理施設及び河道の点検・評価要領」における点検結果の記録と活用に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

    1. 1.点検評価結果はデータベースとして記録に残すことを基本とする。
    2. 2.国管理区間についてはRiMaDIS(河川維持管理データベースシステム)を活用することを基本とする。
    3. 3.点検評価結果は次年度の点検計画作成の基本資料として活用する。
    4. 4.点検評価結果は河川管理者内部のみで共有し、外部には一切公開しないこととされている。
    正解と解説

    正解:4

    点検評価結果は施設の維持管理に活用されるもので、重要水防箇所の設定や河川維持管理計画の見直しにも使われます。外部非公開という規定はなく、変状箇所は重要水防箇所とともに出水時の要注意箇所として活用されます。

  10. 10護岸の変状に関するb評価の基準として、最も適切なものはどれか。

    1. 1.護岸法面の浮き上がり・沈下が著しく、堤防機能に重大な支障が生じている状態
    2. 2.護岸法面に軽微なひび割れや変色が見られるが、機能に支障のない状態
    3. 3.護岸の天端保護工が一部欠損し、今後変状が進行する可能性がある状態
    4. 4.護岸全面が崩壊し、直ちに堤防本体への侵食が始まる状態
    正解と解説

    正解:3

    護岸のb評価は、変状が確認されており今後進行する可能性があるものの、現時点では堤防本体への直接的な影響が生じていない状態に設定される。dは機能に重大な支障が生じている状態、cは機能低下の予防的な段階、aは変状がほとんどない良好な状態を示す。

  11. 11水門・樋門の評価基準に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

    1. 1.水門・樋門の函体継手部に著しいずれや開口が認められる場合はd評価となる
    2. 2.ゲートの開閉に支障をきたすような変形・腐食が認められる場合は適切な評価区分が設定される
    3. 3.水門・樋門の評価は堤防本体と切り離して独立して行い、堤防評価とは無関係に判定する
    4. 4.戸当たりに著しい腐食や変形が認められる場合は変状として記録する
    正解と解説

    正解:3

    水門・樋門は堤防の一部として機能しており、その変状は堤防全体の安全性評価と密接に関連する。水門・樋門の評価は堤防本体の評価と連携して行われ、函体や基礎部の変状が堤防本体に影響する場合は堤防の総合評価にも反映される。

  12. 12護岸の沈下・浮き上がりの評価に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    1. 1.護岸法面全体が著しく沈下し、天端保護工との段差が生じ堤防本体への影響が懸念される場合はd評価となる
    2. 2.護岸コンクリートブロックの沈下量が2mmを超える場合はb評価と設定される
    3. 3.護岸の浮き上がりは評価対象外であり、沈下のみが評価される
    4. 4.護岸の沈下が確認された場合は、沈下量に関わらず一律a評価とする
    正解と解説

    正解:1

    護岸法面の著しい沈下・浮き上がりにより、天端保護工との段差が生じて堤防本体への侵食や浸透の危険性が生じている場合はd評価となる。沈下・浮き上がりの程度や堤防本体への影響の有無によって評価区分が段階的に設定される。

  13. 13根固工のc評価(予防保全段階)の基準に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    1. 1.根固工に軽微な変位があるが、護岸基礎への影響は生じていない状態
    2. 2.根固工ブロックの一部が流出し、護岸基礎の洗掘が進行している状態
    3. 3.根固工全体が流失し、護岸法面が崩壊している状態
    4. 4.根固工前列が低下して護岸基礎が露出し始め、今後進行する恐れがある状態
    正解と解説

    正解:4

    根固工のc評価は、根固工前列が低下して護岸基礎が露出し始めるなど、今後さらに進行して護岸全体に影響が及ぶ恐れがある状態が該当する。護岸基礎の大規模な洗掘が進行している状態はd評価に相当する。

  14. 14出水後点検の発動基準に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    1. 1.出水後点検は計画高水位(H.W.L)付近まで上昇した洪水や堤防・護岸に変状が懸念される出水の後に実施される
    2. 2.出水後点検は河川水位が平常時の2倍を超えた場合に自動的に発動される
    3. 3.出水後点検は年1回の定期点検とは別に、毎月1回必ず実施しなければならない
    4. 4.出水後点検は国土交通省直轄河川のみに適用され、都道府県管理河川には不要である
    正解と解説

    正解:1

    出水後点検は、計画高水位(H.W.L)付近まで上昇した洪水や、堤防・護岸等に変状が生じる恐れのある出水が発生した後に実施される。平常時の定期点検では確認できない出水に伴う変状を速やかに把握することを目的としている。

  15. 15点検記録のフォーマットと活用に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

    1. 1.点検記録には変状の位置・種類・規模・写真等を含め、将来の比較に活用できるようにする
    2. 2.点検記録は電子データとして管理することが推奨されている
    3. 3.点検記録は当該年度のみ保管し、翌年度以降は廃棄してよい
    4. 4.点検記録は維持管理計画の見直しや補修対策の立案に活用される
    正解と解説

    正解:3

    点検記録は変状の経年変化を追跡し、補修の優先度判定や維持管理計画の見直しに活用するため、継続的に保管・管理する必要がある。当該年度のみで廃棄することは適切ではなく、長期的な維持管理の基礎データとして蓄積することが求められる。

  16. 16護岸コンクリートのクラック評価に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    1. 1.コンクリートのクラック幅が0.2mm未満であれば、いかなる場合もa評価となる
    2. 2.コンクリートブロックのクラック幅が2mm以上の場合はb評価と設定される
    3. 3.クラックは外観上の問題のみであり、評価に影響しない
    4. 4.クラック幅の測定は精密機器のみで行い、目視評価は認められていない
    正解と解説

    正解:2

    技術基準において、護岸コンクリートブロックのクラック幅が2mm以上の場合はb評価と設定されることが定められている。クラックは浸透水の浸入経路となり、背面土の流出や護岸の劣化につながるため、適切な評価と記録が重要である。

  17. 17堤防等河川管理施設及び河道の点検・評価要領における評価区分のうち、「健全」を表すa評価の説明として最も適切なものはどれか。

    1. 1.変状が認められないか、変状があっても施設の機能に支障がない状態
    2. 2.変状の進行が懸念され、継続的な監視が必要な状態
    3. 3.予防保全の観点から対策が必要な状態
    4. 4.施設の機能に支障が生じており、速やかな措置が必要な状態
    正解と解説

    正解:1

    a評価は「健全」であり、変状が認められない、または変状があっても施設の機能に支障がない状態を指す。bは要監視段階、cは予防保全段階、dは措置段階に対応する。

  18. 18b評価(要監視段階)の基本的な考え方として最も適切なものはどれか。

    1. 1.直ちに補修を行わなければ機能が失われる状態である
    2. 2.変状は認められるが進行が緩やかで、当面は経過観察により変状の進行を把握すればよい状態である
    3. 3.変状が全く認められない状態である
    4. 4.評価の対象外とすべき軽微な状態である
    正解と解説

    正解:2

    b評価は変状が認められるものの進行が緩やかで、当面は監視(経過観察)により変状の進行を把握すればよい段階である。直ちに措置を要するのはd評価であり、bは予防保全段階であるcの手前に位置づけられる。

  19. 19変状の評価において、進行性と緊急度の関係に関する記述として最も不適切なものはどれか。

    1. 1.同程度の変状でも進行性が認められる場合は、より上位の対策区分で評価することが基本である
    2. 2.変状の程度だけでなく進行の有無や速度も評価の判断材料となる
    3. 3.進行性が明確でない場合は、過去の点検記録との比較により進行の有無を確認する
    4. 4.変状の進行性は評価に影響せず、現時点の変状規模のみで区分を決定する
    正解と解説

    正解:4

    評価は現時点の変状規模だけでなく、進行性(進行の有無・速度)や緊急度を総合的に勘案して行う。進行が認められる場合はより厳しい区分とするのが基本であり、進行性を考慮しないとする選択肢は不適切である。

  20. 20堤防(土堤)の変状種別の分類として、点検・評価要領で扱う変状に含まれないものはどれか。

    1. 1.漏水・噴砂
    2. 2.すべり・はらみ出し
    3. 3.亀裂・陥没(空洞化を含む)
    4. 4.護岸目地のシーリング材の経年劣化
    正解と解説

    正解:4

    土堤の変状種別は、漏水・噴砂、すべり・はらみ出し、亀裂、陥没・空洞、沈下、侵食・洗掘などが代表的である。護岸目地のシーリング材劣化は護岸(構造物)の変状であり、土堤本体の変状種別とは区分される。

※掲載しているのは、公式資料をもとに当サイトが独自作成した模擬問題です(実際の試験問題の転載ではありません)。採点・間違えた問題の自動記録・復習スケジュールまで使うには、下のボタンから演習モードでどうぞ。

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