河川点検士「河川に関する法令」対策

河川法・水防法などの法令を扱う分野です。河川の種類と管理者、河川区域・河川保全区域、占用や工作物の許可、点検の根拠となる技術基準の位置づけなどが問われます。

収録問題数:54問(解説つき)/最終更新:2026年8月

河川に関する法令」で実際に問われること

収録している54問から20問を、本番と同じ四肢択一の形で抜粋しました。各問の「正解と解説」を開くと、正解と、解答の根拠になる要点が読めます。

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  1. 1河川法において、一級河川の「指定区間外」(直轄管理区間)の管理者として正しいものはどれか。

    1. 1.都道府県知事
    2. 2.市町村長
    3. 3.国土交通大臣
    4. 4.水資源機構の理事長
    正解と解説

    正解:3

    河川法第9条第1項により、一級河川の指定区間外(重要区間)は国土交通大臣が直轄で管理します。指定区間は都道府県知事等が管理します。二級河川は都道府県知事、準用河川は市町村長が管理します。

  2. 2河川法第24条が規定する内容として、最も適切なものはどれか。

    1. 1.河川区域内の土地の掘削等(土地の形状変更)の許可
    2. 2.工作物の新築・改築・除却の許可
    3. 3.河川区域内の土地の占用の許可
    4. 4.流水の占用の許可
    正解と解説

    正解:3

    河川法第24条は「河川区域内の土地の占用許可」を規定しています。テント・仮設物・管理施設など土地を継続的に占用する場合に河川管理者の許可が必要です。なお、土地の掘削等は第27条、工作物の新築等は第26条、流水占用は第23条が規定しています。

  3. 3河川法の目的(第1条)に含まれるものとして、最も不適切なものはどれか。

    1. 1.洪水・高潮等による災害発生の防止
    2. 2.河川の適正な利用
    3. 3.流水の正常な機能の維持
    4. 4.河川沿いの土地の地価安定
    正解と解説

    正解:4

    河川法第1条の目的は「洪水・高潮等による災害発生の防止」「河川の適正な利用」「流水の正常な機能の維持」「河川環境の整備・保全」を通じ、公共の安全を保持し公共の福祉の増進に資することです。地価安定は含まれません。

  4. 4「河川砂防技術基準(維持管理編)」の法的位置づけとして、最も適切なものはどれか。

    1. 1.河川法の条文として定められた強制法規。
    2. 2.都道府県が定める条例上の義務基準。
    3. 3.国土交通省が定めた技術上の基準であり、河川管理者が河川管理を行う際の技術的な拠り所。
    4. 4.学術団体が任意に作成した推奨基準。
    正解と解説

    正解:3

    河川砂防技術基準(維持管理編)は国土交通省が定めた技術的基準です。法律(河川法)の条文ではありませんが、河川管理者が維持管理を行う際の技術上の拠り所として準拠が求められます。

  5. 5「堤防等河川管理施設及び河道の点検・評価要領」に定める点検を安全に実施するための体制として、最も適切なものはどれか。

    1. 1.点検は経験豊富な技術者であれば1名の単独点検でも構わない。
    2. 2.点検は請負業者に全て任せ、河川管理者の立会いは不要である。
    3. 3.点検は安全を考慮して1名での単独点検は実施せず、2人以上の班を編成して実施する。
    4. 4.点検人数は特に定めがなく、現場状況に応じて自由に判断できる。
    正解と解説

    正解:3

    「堤防等河川管理施設及び河道の点検・評価要領」では「点検は安全を考慮して1名での単独点検は実施しないこととし、2人以上の班を編成して実施する」と明確に定められています。

  6. 6水防法における「洪水浸水想定区域」の指定に関して、一級河川を対象とした指定権者として正しいものはどれか。

    1. 1.市町村長
    2. 2.都道府県知事
    3. 3.国土交通大臣
    4. 4.内閣総理大臣
    正解と解説

    正解:3

    水防法第14条に基づき、一級河川については国土交通大臣が、二級河川については都道府県知事が洪水浸水想定区域を指定します。この指定区域をもとに市町村がハザードマップを作成・公表します。

  7. 7河川法第16条に定める「河川整備基本方針」と第16条の2に定める「河川整備計画」の関係として、最も適切なものはどれか。

    1. 1.河川整備基本方針は短期(5年)、河川整備計画は長期(100年)の計画。
    2. 2.河川整備基本方針と河川整備計画は同じ内容を指す。
    3. 3.河川整備基本方針は長期的・基本的な整備方向を定め、河川整備計画はおおむね20〜30年の具体的な整備内容を定める。
    4. 4.河川整備計画は任意計画であり、策定義務はない。
    正解と解説

    正解:3

    河川整備基本方針(第16条)は長期的・基本的な整備の方向性を定めます。河川整備計画(第16条の2)は基本方針に基づきおおむね20〜30年の計画期間で具体的な工事・維持の内容を定める実施計画です。

  8. 8河川法における「河川区域」に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

    1. 1.河川区域には河川の流水が継続して存する土地(低水路)が含まれる。
    2. 2.河川区域には堤防の敷地が含まれる。
    3. 3.河川区域には低水路と堤防の間の高水敷が含まれる。
    4. 4.河川区域には堤防によって守られた堤内地(市街地・農地等)が含まれる。
    正解と解説

    正解:4

    堤内地(堤防によって洪水から守られた居住地・農地等)は河川区域には含まれません。河川区域(河川法第6条)に含まれるのは①低水路(流水が継続して存する土地)、②高水敷(堤外地)、③堤防敷などです。

  9. 9「河川保全区域」(河川法第54条)の説明として、最も適切なものはどれか。

    1. 1.洪水時に浸水が見込まれる区域として国土交通大臣が指定する区域。
    2. 2.砂防法に基づき指定される砂防指定地と同義。
    3. 3.河川区域に隣接する区域のうち、河川管理施設を保全するために河川管理者が指定する区域。
    4. 4.水防法に基づき水防管理者が指定する重要水防区域。
    正解と解説

    正解:3

    河川保全区域は河川区域に隣接する土地のうち、堤防等の河川管理施設を保全するために河川管理者が指定する区域です。区域内での土地の掘削・盛土・切土等は河川管理者の許可が必要です(河川法第55条)。

  10. 10河川法において「河川維持」の内容として定められているものとして、最も適切なものはどれか。

    1. 1.河川工事と河川維持は同じ意味であり、区別はない。
    2. 2.河川維持は民間事業者のみが実施できる業務である。
    3. 3.河川維持とは河川を常時適正な状態に保つための除草・浚渫・補修等の行為であり、河川工事とは区別される。
    4. 4.河川維持とはダムの操作・管理のみを指す。
    正解と解説

    正解:3

    河川法では「河川工事」(新設・改築等)と「河川維持」(維持・修繕)が区別されています。河川維持とは、河川を常時適正な状態に保持するための除草・浚渫・堤防や護岸の点検・補修などの行為を指します(河川法第20条)。

  11. 11河川法第23条に定める流水の占用許可に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    1. 1.河川の流水を継続的に占用しようとする者は、河川管理者の許可を受けなければならない
    2. 2.河川の流水を占用するためには河川管理者の許可は不要で、届出のみでよい
    3. 3.流水の占用許可は一度取得すれば永久に有効である
    4. 4.流水の占用許可は国土交通大臣のみが付与できる
    正解と解説

    正解:1

    河川法第23条は、河川の流水を占用しようとする者は河川管理者の許可を受けなければならないことを定めている。許可には有効期間があり、更新が必要な場合もある。管理区間によって許可権者が国土交通大臣または都道府県知事となる。

  12. 12河川法第26条に定める工作物の新築等の許可に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

    1. 1.河川区域内において工作物を新築・改築・除却しようとする者は、河川管理者の許可を受けなければならない
    2. 2.橋梁の設置は河川区域内の工作物に該当し、許可が必要である
    3. 3.許可を受けることなく工作物を設置した場合は、河川法上の罰則規定の対象となり得る
    4. 4.河川区域内の工作物設置許可は、環境省が単独で審査し許可を付与する
    正解と解説

    正解:4

    河川区域内における工作物の新築・改築等の許可は河川管理者(国土交通大臣または都道府県知事)が行うものであり、環境省が単独で審査・許可するものではない。河川法第26条に基づき、許可なく工作物を設置した場合は罰則の対象となり得る。

  13. 13河川法第27条に定める土地の掘削等の許可に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    1. 1.河川区域内における土地の掘削等は河川管理者の許可が必要であり、無許可で行った場合は罰則の対象となる
    2. 2.河川区域内において土地を掘削・盛土・切土しようとする者は、原則として河川管理者の許可が不要である
    3. 3.河川区域内での掘削は堤内地のみに適用され、堤外地では適用されない
    4. 4.土地の掘削等の許可申請は市区町村長に対して行う
    正解と解説

    正解:1

    河川法第27条により、河川区域内において土地の掘削・盛土・切土その他土地の形状を変更する行為や竹木の栽植・伐採を行おうとする者は、河川管理者の許可を受けなければならない。無許可で行った場合は罰則の対象となる。

  14. 14準用河川と普通河川の違いに関する記述として、最も適切なものはどれか。

    1. 1.準用河川とは一級河川および二級河川を除き、市町村長が指定した河川であり、河川法の一部が準用される
    2. 2.普通河川は河川法の全ての規定が適用される
    3. 3.準用河川の管理は国土交通大臣が直接行う
    4. 4.普通河川には河川法の規定は一切適用されない
    正解と解説

    正解:1

    準用河川は一級・二級河川以外で市町村長が指定した河川であり、河川法の一部(管理に関する規定等)が準用される。普通河川は河川法が適用されない河川であり、各地方公共団体が独自の条例等で管理する。

  15. 15水防法における水防計画に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    1. 1.水防計画には水防活動に必要な資材・機械の調達方法や水防団の組織等が含まれる
    2. 2.水防計画は市区町村のみが策定し、都道府県は関与しない
    3. 3.水防計画の策定は任意であり、法律上の義務ではない
    4. 4.水防計画は平常時にのみ効力を持ち、洪水時には別の計画に切り替えられる
    正解と解説

    正解:1

    水防法に基づく水防計画には、水防活動の実施体制(水防団の組織等)、資材・機械の整備・調達、水防の方法・手順などが含まれる。都道府県および水防管理団体は水防計画を定めることが義務付けられており、平常時の準備から洪水時の対応までをカバーする。

  16. 16河川法の罰則規定に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

    1. 1.河川管理者の許可を受けずに河川区域内で工作物を設置した場合、罰則の対象となることがある
    2. 2.河川管理者の命令に違反した場合、罰則が適用されることがある
    3. 3.河川法の罰則は刑事罰のみであり、行政上の措置は規定されていない
    4. 4.河川管理者は法令違反に対して、原状回復を命じることができる
    正解と解説

    正解:3

    河川法では、違反行為に対して刑事罰(懲役・罰金等)のほか、河川管理者による工事の中止命令・原状回復命令等の行政上の措置も規定されている。法令違反に対しては刑事罰と行政上の措置の両方が適用され得る。

  17. 17河川法における費用負担に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    1. 1.河川工事の費用は原則として国または河川管理者が負担するが、受益者や原因者に費用を負担させることができる場合がある
    2. 2.河川改修工事の費用はすべて受益者が負担することが原則として定められている
    3. 3.河川管理施設の維持費用は都道府県が全額負担する
    4. 4.地方公共団体は河川工事費用の負担を拒否することができる
    正解と解説

    正解:1

    河川工事の費用は原則として国または河川管理者(都道府県等)が負担するが、河川法では工事により利益を受ける者(受益者)や、工事が必要となる原因を作った者(原因者)に対して、その費用の全部または一部を負担させる制度が設けられている。

  18. 18「洪水浸水想定区域」の指定と「河川整備基本方針」の関係として、最も適切なものはどれか。

    1. 1.洪水浸水想定区域は河川整備基本方針で定める規模の洪水を想定して指定される
    2. 2.洪水浸水想定区域は10年確率の降雨を対象として指定される
    3. 3.河川整備基本方針は洪水浸水想定区域の指定後に策定される
    4. 4.洪水浸水想定区域の指定は市区町村長が行う
    正解と解説

    正解:1

    洪水浸水想定区域は、河川が河川整備基本方針に定める規模の洪水を想定し、その河川が氾濫した場合に浸水が想定される区域として指定される。指定権者は国土交通大臣または都道府県知事(管理区間に応じて)であり、市区町村長ではない。

  19. 19河川法における河川の種類に関する記述として、最も適切なものはどれか。

    1. 1.普通河川は河川法の規定が全面的に適用される
    2. 2.二級河川は市町村長が指定し管理する
    3. 3.一級河川は、国土の保全上又は国民経済上特に重要な水系で政令で指定したものに係る河川である
    4. 4.準用河川は一級水系内で国土交通大臣が指定する
    正解と解説

    正解:3

    河川法4条により一級河川は国土保全上・国民経済上特に重要な水系として政令指定された水系に係る河川である。二級河川は都道府県知事が指定、準用河川は一級・二級以外で市町村長が指定して規定を準用、普通河川は河川法の適用を受けない。

  20. 20河川法第2条等に定める河川管理施設の定義として、最も不適切なものはどれか。

    1. 1.ダム、堰、水門、堤防、護岸等で河川の流水によって生ずる公利を増進する施設を含む
    2. 2.河川管理者以外の者が設置した施設は、河川管理者が権原を取得した場合等を除き原則として河川管理施設に当たらない
    3. 3.河川管理施設には水害を防止する効用を有する施設も含まれる
    4. 4.民有地内にある排水路は、すべて当然に河川管理施設として扱われる
    正解と解説

    正解:4

    河川法上の河川管理施設は、ダム・堰・水門・堤防・護岸等で河川の流水によって生ずる公利を増進し又は公害を除却・軽減する効用を有するものをいう。河川管理者以外が設置した施設は、原則として権原取得等がない限り河川管理施設に含まれない。民有地内の排水路が当然に該当するわけではない。

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